インタビュー
「まだ日本では数百万の店舗でVisaが使えない」 Visa日本法人社長が語る“野望”(3/4 ページ)
ビザ・ワールドワイド・ジャパンのシータン・キトニー社長に、これまでの成果と今後の戦略を聞いた。
――このモデルを他地域にも展開する計画はありますか。
成果には手応えを感じており、他地域への展開も視野に入れています。ただし、大阪では18カ月かけて実験、検証、改善のサイクルを回すことを約束しました。まずはこれを完了させたいと考えています。とはいえ、次の展開地域の検討は始めています。
2025年の重点施策は?
――2025年度の重点施策について教えてください。
5年前に設定し、私の着任時に再確認した目標を継続します。日本の決済システムを、利用者と加盟店にとって世界で最も先進的な、個人のニーズに合わせたものにしたいと考えています。
そのために、まず利便性を高めるための基盤整備を続けます。タッチ決済の拡大と並行して、セキュリティ強化としてのトークン化(カード情報を別の記号に置き換えて保護する仕組み)にも注力します。これにより、オンラインでもリアル店舗でも、スマートフォンを使った独自の利用体験を提供できます。
スマートフォンでの支払いや新しい決済体験の普及も進めます。加盟店も増やしていきます。最終的には、お客さまがVisaカード1枚あれば、その日必要な全ての支払いができる環境を目指します。
また、法人間決済への本格参入も計画しています。この分野は大きな可能性があり、金融機関各社も成長を期待しています。Visaの決済システムを活用することで、日本企業の業務効率化や改善につながると考えています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「日本の決済手段はバラバラすぎた」 Visa日本法人社長が語る“世界標準化”への野望
急速に浸透するタッチ決済。そのかじを取る、Visa日本法人社長は何を語るのか。2024年への意気込みを聞く。
ソフトバンク、株主優待コストに10億円 それでも“元が取れる”と見込むワケ
「株式投資を、より身近に」――。“投資の民主化”が、通信業界に広がりつつある。
「プッチンプリン出荷停止」はなぜ起きた? “ベンダーのせい”にできない根深き問題
近年、大手企業のERP導入失敗事例として注目を集めたのが「プッチンプリン問題」である。この問題の原因について、ベンダーの能力不足や、企業のIT投資に対する姿勢を指摘する声が多いが、問題はそう単純ではない。
気が重い「督促業務」をデジタル化、未回収率50%→1%に 「血を流しながらやってきた」スタートアップの挑戦
ある保育園が「債権督促」ツールを導入したという。背景にあるのは心理的負担と、あるスタートアップの挑戦だ。
Sansan「30%値上げ」 顧客単価の“頭打ち”脱却なるか
業績好調のSansan。インボイス管理サービスなどが堅調に推移しているが、顧客単価の「頭打ち」感の足音も迫る。どう打開するか。
