インタビュー
熊本の廃校が「世界最先端のビジネススクール」に 異色スタートアップの、故郷への思いと緻密な戦略(4/5 ページ)
熊本県の田舎町で、ハーバードMBA取得者が仕掛けた廃校活用プロジェクト。独自のサブスクモデルと徹底的なローコスト運営で、地方の“イノベーション拠点”を目指す。
開業8カ月で来場2万人見込み 想定外の広がり見せる利用実態
2024年4月のオープンから約8カ月が経過するなか、YAMAGA BASEの来場者数は年間2万人を見込むペースで推移している。「積極的な営業活動はできていないが、口コミで広がり、多様なユースケースが生まれている」と中原氏は手応えを語る。
宿泊を伴う利用は年間2000人を見込み、週末の予約は2025年2、3月までほぼ埋まっている状態だ。サッカーのユースクラブチームの合宿や、企業の異業種交流会、全国各地から集まる農業関係者の交流会など、当初想定していなかった使われ方もされているようだ。
この多様な利用形態は、YAMAGA BASEが掲げる「iReaction」という理念に通じる。Innovation(革新)、Recreation(余暇)、Education(教育)、Association(協働)、Communication(交流)の頭文字を組み合わせたこの造語には、「刺激を受けて変化する」という意味も込められている。
実際、byコミュニティーでの知見共有、農業振興の取り組み、中高生の職場体験、企業間交流会など、理念に沿った活動は多岐にわたる。派遣される運営側のスタッフも、臨床検査技師や高校教師、元警察官など多様なバックグラウンドを持つ20〜30代の若者が移住して加わり、理念を体現している。「この場所から新しい価値が生まれていくのを実感している」と中原氏は語る
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