ファンが沸いたプレリュードとロードスター、ホンダとマツダの“次の一手”は?:高根英幸 「クルマのミライ」(5/5 ページ)
今年も東京オートサロンが開催された。カスタムカーの祭典というよりは、多様なメーカーのブースが台頭し、幅広い領域の展示が見られるイベントになってきた。各社がファンを喜ばせる展示を用意。工具メーカーも盛況だった。まだまだ人気は衰えそうにない。
オートサロンのブランドは海外でも通用するように
洗車好きは一定数存在するが、共働きが増えたこともあって、休日に洗車を家族で楽しむようなユーザーは減っている。その代わりディーラーやカークリーニング業者にガラスコーティングをしてもらい、自分は時々洗車機で洗うという時短派ユーザーが増えている。
つまり高級な洗車用品を使って、たっぷり時間と水を費やして洗車を楽しむようなユーザーは、それほど増えてはいないようだ。
また最近は実店舗や通販だけでなく、クラウドファンディングで洗車用品の新商品を購入するなど、購入経路も多様化しつつある。ディテーリングビジネス(自動車の清掃・修復などを提供するサービス)自体はまだ拡大傾向にあるだろうが、洗車用品はそろそろ飽和状態になってきたと言えそうだ。
もちろんこれらは会場内を歩いてつかんだ感触であり、隅から隅まで完璧にチェックできているわけではないから、筆者と異なる印象を抱いた人もいるかもしれない。
そもそもオートサロンでは、出展を希望する企業の要望が全てかなっているわけではないのだ。毎年、出展する企業の多くは抽選に参加しており、当選しなければ出展さえできない高倍率ぶりなのである。
しかも巨大な幕張メッセという箱をすでに目いっぱい使っている状態なので、これ以上の会場面積の拡大は望めそうもない。
また自動車整備士学校の生徒たちの卒業制作を披露する場所としても、オートサロンは欠かせないイベントになっている。今年もユニークなカスタム、入念にレストアされたクルマが並べられていた。
今年も自動車整備士学校の生徒たちはユニークなカスタムカーを展示。こちらはジムニーのシャーシに軽トラのキャリィのキャブを載せ、ボディを自作して日野レンジャーのパリダカ仕様に仕立て上げたもの。特徴をうまく再現して、軽らしいかわいさとマッチさせている
2025年の東京オートサロンでは、前年を上回る25万人以上の来場者を記録した。海外でも開催されるなど、ブランドの輸出も始まっているが、まだまだ人気は衰えそうもない。当分、クルマ好きを集客する強力なブランドとして君臨しそうである。
筆者プロフィール:高根英幸
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカーWeb、日経X TECH、ITmedia ビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
2人乗車はなぜ難しい? 超小型モビリティ「Lean3」が日本では1人乗りの残念な事情
2024年のジャパンモビリティショー ビズウィークで注目されていたのは「Lean3」という小型モビリティ。2人乗車仕様の販売を実現するには、まだ手探りの状況だ。官民挙げて超小型モビリティを普及させ、ビジネスを広げていってほしい。
なぜクルマのコーティングが人気なのか ユーザー心理を利用する術
カーディテイリングビジネスが活況だ。日本では1980年代から徐々に市場が拡大。コーティング技術や洗車機の性能も向上し、安心できるサービスになっている。需要に応じて形を変えながら、さらに発展していきそうだ。
スポーツカーに未来はあるのか “走りの刺激”を伝え続ける方法
スポーツカーはクルマ好きの関心を集め続けているが、乗り回せる環境が限られるようになってきた。一方、マツダ・ロードスターなど価値のあるモデルも残っている。トヨタは運転を楽しむ層に向けた施策を展開している。今後のスポーツカーを巡る取り組みにも注目だ。
キャンピングカー人気は続くのか 需要維持に必要な要素とは?
日本のアウトドアブームが落ち着いてきた一方、キャンピングカーの人気は衰えていない。展示会では大型車両をベースにした展示車が増え、熟年オートキャンパーの心をつかんでいる。しかし、ブームによるマナー低下に歯止めをかけないと、衰退につながりかねない。
「東京オートサロン」はどこまで成長するのか クルマ好きをひき付ける魅力がある
今年も年明けに東京オートサロンが開催された。カスタムカーの祭典だが、自動車メーカーも積極的に出展し、クルマ好きの心をつかんでいる。環境に配慮した次世代モビリティの提案も増えた。自動車産業を支える一大イベントとして、どこまで成長できるのか。
