ファンが沸いたプレリュードとロードスター、ホンダとマツダの“次の一手”は?:高根英幸 「クルマのミライ」(4/5 ページ)
今年も東京オートサロンが開催された。カスタムカーの祭典というよりは、多様なメーカーのブースが台頭し、幅広い領域の展示が見られるイベントになってきた。各社がファンを喜ばせる展示を用意。工具メーカーも盛況だった。まだまだ人気は衰えそうにない。
TONEブースの盛況ぶりに驚く
これまでほとんど毎年、東京オートサロンの会場を取材しているのに気付かなかったのだが、工具メーカーのTONEのブースが異常な盛り上がりを見せていた。かなり前からオートサロンでは福袋を用意しており、その価格には定評があったらしい。
さらに、ここ数年は福袋以外にも大特価(4〜6割引きくらい)でさまざまな工具を販売しており、それを目当てに来場する人もいるようだ。とにかく広めのブースにもかかわらず、熱心に工具を吟味する来場客でブース内はごった返しているのである。
正直言って、一般の自動車オーナーに工具の需要があるとは思っていなかったので、この熱気には少々驚かされた。最近は愛車のボンネットを開けたことがないというオーナーも多いと聞くので、このブースでの盛り上がりにびっくりしたのだ。
もちろんここはオートサロン、一般の自動車オーナーでもクルマ好き、なかでもカスタムやチューニング好きのオーナーが集まるだけに、クルマ愛が深いオーナーが多いのだろう。
さらに最近のハンドツール(手の力だけで操作する工具)は機能性が向上していたり、デザインや仕上げに凝ったものがあったりと、眺めていじり回しているだけで楽しめるものも多い。そうした工具オタクもジワジワと増えているようだ。
筆者はDIYメンテ歴が長いのでハンドツールや特殊工具なども一通り所有している。そのため、TONEの福袋やセール品を購入することは踏みとどまったが、持っていない工具があれば、この安さなら予定外の買い物をしてしまうに違いなかった。
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