ファンが沸いたプレリュードとロードスター、ホンダとマツダの“次の一手”は?:高根英幸 「クルマのミライ」(3/5 ページ)
今年も東京オートサロンが開催された。カスタムカーの祭典というよりは、多様なメーカーのブースが台頭し、幅広い領域の展示が見られるイベントになってきた。各社がファンを喜ばせる展示を用意。工具メーカーも盛況だった。まだまだ人気は衰えそうにない。
ランクルの人気ぶりが際立つ
2023年のジャパンモビリティショーで発表された小ぶりのランクル250も人気だが、やはりより堂々としたボディのランクル300の方がこうしたイベントで映えることもあって、展示されている台数は多いように感じた。
他にもランドローバーのディフェンダーやレクサスLX(中身はランクルだが)、三菱トライトンなどの人気車種も多く、冒頭で述べた通りメルセデスのGクラスは一気に影を潜めた感がある。都心部の高級住宅街などではタクシーと同じくらいGクラスを見かけることもあるが、高いリセール性を維持するにはカスタムはご法度であり、そうした需要は減っているのだろう。
トヨタはGAZOO RacingとランクルBASEと名付けた2つのエリアでブースを展開。GAZOOはこれまでの歴代ツーリングカーマシンを展示し、GRヤリスをベースに開発中の2リットル4気筒エンジンをミッドシップに搭載した試作車を公開した。
このエンジンが高級スポーツカーに搭載されるのは、従来の高級車を知る人間にとってはやや複雑な心境だが、コンパクトなユニットの利点を生かして、こうしたホットハッチへのドーピングに用いるのはオートサロンの来場者には受ける手法だろう。
そしてオートサロン名物とも言えるブランドは、今年も大人気であった。リバティーウォークはエアロパーツメーカーとして立ち上げられ、さまざまな車種にワイドボディキットを用意して話題を集め、認知度を高めたブランドだ。
毎年オートサロンでド派手なデモカーを発表し、注目を浴びることでますますその人気を高めていった。最近は原宿や海外でアパレルを展開し、その独自の世界観が浸透するにつれ、絶大な人気を集めている。
今年は往年のスーパーカー、ランボルギーニ・ミウラをワイドボディとグラフィックによりリバティーウォーク仕様にモディファイしたものと、R32型の日産スカイラインGT-Rをベースに街道レーサーを現代的に解釈したド派手なカスタムを披露した。
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