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カセットガスで「暖炉のある暮らし」に 開発者の執念がヒット商品に:テストマーケティングから見るプロダクトの近未来(2/4 ページ)
開発者自身が最も欲しかった商品が、新たな市場を切り開いた。
開発責任者自身が「顧客1号」 3年かけて実現
MYDANROは、プロジェクト開始からわずか1日で1000万円の応援購入を集める大ヒットとなりました。この予想を上回る反響は、暖炉への潜在的なニーズの大きさを実感させる結果となっています。
この商品が生まれた背景には、開発責任者であるマーケティング部長の本山氏自身が、最も理想的な顧客像であったことが挙げられます。
本山氏は幼少期から、キャンプでのたき火や、五右衛門風呂など、炎のある生活が身近な環境で育ちました。しかし、現代の都会生活では、そうした炎に触れる機会が失われています。「炎をもっと身近に感じてほしい」。そんな思いから、カセットガスを使った新たな商品開発のチャンスを得たとき、真っ先に構想したのが暖炉でした。
商品開発は苦難の連続だったといいます。通常、カセットガスの炎は「青色」です。この炎をオレンジ色に変える工夫や、本物の炎のようなゆらぎの表現、さらに、前例のない商品だけに安全性の担保など、課題は山積み。開発に3年もの歳月を要しましたが、本山氏が強い意志を持ち続けられたのは「自分が最も欲しいと思う商品なら、必ず共感する人がいるはずだ」という信念があったからだそうです。
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