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「スマホが会話を盗み聞きする」は本当か 不気味なほど正確な広告を出す仕組み世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)

Appleが「Siri」の開発目的で利用者の会話を記録していることを認めた。一方、スマホが広告のために会話を盗み聞きしている、といううわさが以前からある。それは「ない」といえるが、技術的には可能。よく分からないアプリなどには注意が必要だ。

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データ収集で“分身”が出来上がる

 まず大前提として、スマホを使えば私たちが想像する以上に、個人情報やデータが大量に収集される。スマホを使うために登録している個人情報の多くが収集され、意識的に厳しくデータ管理をしていないと、ダウンロードしたアプリからも情報が収集される。

 メールの送受信記録や位置情報、検索履歴、食料や趣味などのさまざまな買い物の内容、撮影した写真の記録、服用している薬など、デジタルデバイスを使うと多くのデータが記録される。スマホをPCやタブレット端末と同期すれば、別のデバイスの情報もそこに追加される。

 今の時代、こうして集められた情報をひもづけてまとめると、ユーザーの詳細なプロフィールが出来上がる。何年もの記録を蓄積していることを考えると、まるで自分の「デジタルツイン(デジタル上の分身)」のようなものがすでに出来上がっており、デジタル化されたもう一つの自分は、自分よりも自分のことをよく知っている可能性が高い。


スマホなどのデバイスを使えば、大量の個人データが収集される(画像提供:ゲッティイメージズ)

 例えば、10日前に食べた夕食を瞬時に答えられる人はどれほどいるだろうか。スマホなら、その日のスケジュールや位置情報、退社後の電車でイヤフォンをオンにした時間、乗り換え情報、買い物履歴、帰宅した時間、モバイル決済をした時間など、さまざまなデータを蓄積しているので、迅速に答えを出せる可能性が高い。

 とにかく、スマホなどのデバイスはユーザーについて日常的に十分すぎるほどデータを集めているので、今さら電話の会話を盗聴する必要すらない。スマホは個人のデータをアルゴリズムで分析し、ユーザーが興味を持ちそうなものを推測して、不気味なほど正確に感じられる広告を出すことができる。

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