なぜ「ジムニーノマド」の注文が止まらないのか 変わりゆくクルマ選びの基準:高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)
スズキが発表した「ジムニーノマド」に注文が殺到し、受注を停止する事態になった。SUV人気に加えて、実用性と新しい刺激の両方を得られる期待感が高いようだ。今後のクルマ選びに対しては、充実した機能や性能をいかに分かりやすく伝えるかが重要になる。
高根英幸 「クルマのミライ」:
自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。
2024年9月に本連載で取り上げた、インドで生産されるジムニーの5ドア「ノマド」が4月にいよいよ発売されることになった。しかし、予約開始からたった4日で5万台もの注文が殺到。スズキは、このままでは納期の予測が難しくなるため、受注を停止すると発表した。
わずかな期間に予約が殺到したのは、それだけこのクルマの発売を心待ちにしていた人が多かったことが背景にある。かなり前からさまざまな形で登場を予感させ、徐々にクルマ好きたちを刺激し続けてきた。
しかしながら予約数の全てが、本当にこのクルマが欲しいと思う人によるものではなさそうだ。転売狙いの割合も高そうであるし、ユーザーから注文が入る前に見込み発注している販売協力店なども少なくないと思われる。
ジムニーノマドがヒットした理由は(以前の記事でも売れる要素として解説しているが)、SUV人気と手頃な大きさ、価格と実用性、それでいてマイカーのステータスからなるヒエラルキーから脱却できる、独特のクラスレス感なのだろう。
だが相変わらずクルマにステータスを求める人は多く、それは大きなクルマが売れる理由となっている。
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