「おにぎりブーム」どこまで続く? コメダ・象印・3COINSが飛び込む“具だくさん”の世界(4/5 ページ)
数年前から続く「おにぎりブーム」。大手企業が続々と参入するなか、2025年2月にはコメダHDが新業態「おむすび 米屋の太郎」をオープンした。1号店の「新宿センタービル店」を取材したところ……。
象印や3COINS、大手が続々参入
おにぎり協会の中村氏に、コメダのおにぎり専門店参入への見解を尋ねると、「おにぎりの需要は世界的に急増している。コメダのような飲食店に限らず、雑貨の3COINSや家電の象印マホービンなどもおにぎり専門店を展開している」と、すでに多くの競合が参入している現状に触れた。
調べてみると、3COINSを展開するパルグループホールディングス(大阪市)では、2025年2月初旬に「3COINS 原宿本店」でおにぎりを販売開始。全国の郷土料理をテーマにした「スリコオニギリ」全10種類を扱う。
「にんじんしりしりー」「鮭のちゃんちゃん焼き」「いぶりがっこ&クリチ」など、メニューはバラエティーに富んでいる。価格は「だしむすび」が270円、それ以外は324円だ。
3COINSの公式Xの投稿では「原宿本店限定」と書かれていたが、報道によると、武蔵小山の商店街の中でも「スリコオニギリ」が販売されているという。
象印マホービン(大阪市)では、2022年4月、阪神梅田本店内におにぎり専門店「象印銀白おにぎり」をオープン。五ツ星お米マイスター・金子真人氏が厳選したオリジナルブレンド米を、同社の高級炊飯ジャー「炎舞炊き」で炊き上げ、おにぎりにして提供する。
30〜50代の女性をメインターゲットに、月替わりで玄米やもち麦などが選べるほか、見栄えのいい「創作おにぎり」も扱う。価格は206〜368円。2025年9月上旬には、大阪市にある商業施設「コムズガーデン」内にも「象印銀白おにぎり 京橋店」を出店予定だ。
さらに、2024年4月からは、おにぎりを世界にむけて発信する「ONIGIRI WOW!(オニギリ・ワウ!)」プロジェクトも開始。2025年4月13日〜10月13日まで、大阪・関西万博で、ロボットが握ったできたてのおにぎりを販売する。
大手の参入は、競合店にはどう映っているのか。こんがの合田社長は、現在の物価高騰の状況を踏まえ「あまり激しい競争にはならないだろうと感じている。いつの間にか増えてきたなぐらいのペースで、他社のおにぎり店も出店していくのでは」と見解を話した。
こんがでは、ここ数カ月で新店舗の開業が続いており、2024年11月に「羽田空港国内線第3ターミナル店 」が、12月に名古屋市中村区に「名古屋本店」と神戸市中央区に「神戸元町本店」がオープンした。名古屋と神戸元町は、こんがにとって初のフランチャイズ店舗となる。
「新店舗を含めて好調が続いています。名古屋と神戸の店舗は、平日はオフィスワーカー、週末は家族連れやカップルの方が多く訪れます。神戸はすぐ近くに大丸があるので、大丸での買い物後にお土産として購入される女性も目立ちますね。最も売れ行きがいい羽田空港の店舗は、現在も1日当たり2000〜2500個を販売しています」(合田氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
大塚「おにぎり ぼんご」はなぜ人気なのか 休日は6時間待ち
JR大塚駅の北口から徒歩2分、老若男女から熱烈な支持を得る、おにぎり専門店「ぼんご」。平日は2時間以上、土曜や祝日は6時間ほどの待ち時間が発生する。何が人々をここまで魅了するのか。
おにぎりの「ぼんご」が認めた「こんが」1日2500個を販売、それでも「なかなか儲からない」理由は?
「おにぎりブーム」の火付け役と言われる大塚の「おにぎりぼんご」。同店が唯一、ぼんご直伝として出店を認めたのが「おにぎり こんが」だ。羽田空港の店舗では、ぼんごよりも多い1日2000〜2500個を販売する。どのように人気を獲得してきたのか。
なぜコナズ珈琲は3時間待ちでも人気なのか? “店づくり”の秘密に迫る
「いちばん近いハワイ」をコンセプトに掲げるハワイアン カフェ・レストラン「コナズ珈琲」の快進撃が続いている。全国に45店舗を構え、どの店も待ち時間が出る人気ぶり。好調の理由は……。
“ヌン活”ブームはどこまで続く? 単価6000円でも予約殺到の理由
2022年に流行語大賞にノミネートされた「ヌン活」。以前よりも各社のアフタヌーンティープランは充実し、予約が取りづらくなっているようだ。単価6000円以上と高額にもかかわらず、なぜブームが長く続いているのか。



