2015年7月27日以前の記事
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ブラック・ジャックが夢見た未来はここに? パソナが万博で描く、iPS細胞×テクノロジーの社会(2/4 ページ)

もしブラック・ジャックが現代にいたら――。パソナグループが大阪・関西万博で公開するのは、iPS細胞と最新技術を掛け合わせた“未来の医療”の姿。再生医療が社会をどう変えるのかを探る。

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「医療」と「いのち」の未来を創るテクノロジー

 「からだゾーン」では、「iPS心臓」を展示している。iPS細胞や、すでに実用化されているiPS心筋シートの技術を基に、生きた細胞による立体の心臓を培養したもので、重い心臓病の新たな治療法として期待されている。

 約3.5センチの心臓は、外部からの電流や操作ではなく、自律的に拍動している。iPS細胞をもとにした心臓の立体モデルの動態展示は、世界初の試みという。

 実際の人間の心臓とは形状が異なるものの、拍動する心臓からは、今後の医療分野で大きな役割を果たす可能性を感じた。

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拍動する「iPS心臓」(筆者撮影)

 注目度の高い展示とあって、多くの来場者が熱心に撮影していた。パビリオンのエグゼクティブプロデューサーであり、iPS心臓を開発した大阪大名誉教授の澤芳樹氏は、「展示を通して『いのち』を感じてほしい」と語る。

 体験コーナーもあり、「未来の眠りエリア」では、センサーを多数搭載した特殊形状のベッドを展示。体の状態や呼吸、心拍数をリアルタイムで認識し、最適な角度に自動で調整する。約2分間で、深い眠りから快適な目覚めまでを疑似体験できる。来場者が快適そうに横たわる姿は印象的だった。

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「未来の眠り」 センサーが体の状態を認識し自動調整するベッド

 未来の医療技術も提案しており、遠隔治療を可能にする未来のカテーテル手術体験や、人間とシンクロする遠隔操作ロボットである「マスターリモートシステム」などを用意している。オペレーターの動きに合わせてロボットアームがスポイトを掴み上げる精密な動きは、将来的には医療や介護の現場での活用も期待される技術だ。

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「マスター・リモートシステム」

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