コラム
なぜ成果がでないのか──「DX人材の育成」で陥りがちな7つの失敗とは(3/4 ページ)
DX推進の鍵となる人材育成で、約4割の企業が「成果を実感していない」現実がある。この記事では、研修を実施しても現場で活用されない、目的が曖昧なまま進めてしまうなど、典型的な失敗パターンを紹介。再構築のポイントも紹介する。
実行段階で陥る4つの落とし穴
4つ目は「リテラシー・スキルインプット偏重の育成」で、技術スキルの習得だけで完結してしまう問題。DX推進者にはビジネス課題発見力、変革リーダーシップ、実践を通じた内発的動機が必要とされるが、これらが軽視されがちだという。
5つ目は「研修やりっぱなし」問題。研修後の実践機会や現場組織の継続的サポートが不足し、高評価の研修でも現場での実践機会がなければ学びは風化する。
6つ目は「研修の効果測定がない」こと。研修直後の満足度だけでなく、3カ月後の実践状況や業務への波及度を具体的に測定・分析しなければ継続的改善につながらない。
最後は「制度・文化の壁」。優れた研修で人材を育成しても、その成果を生かす組織体制・評価制度・実践機会が整備されていなければ投資は無駄になってしまう。
これらを回避するには体系的な再構築アプローチが有効とされる。具体的には、現在のDX人材育成策を客観評価する「現状把握」、失敗要因やボトルネックを特定する「課題構造化」、具体的な解決策を検討する「解決策検討」、改めて育成目標や人材像を整理する「育成戦略策定・人材要件再定義」、現状課題に対し段階的な育成施策を検討する「研修設計」、そして「評価の仕組み構築」──の6ステップで進める。特に最初の3ステップで課題を具体化し優先順位を明確にすることが重要とされる。
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