「麻布台ヒルズ」はなぜ批判されるのか? 森ビルが“共感されにくい”理由(2/6 ページ)
「第2六本木ヒルズ」の計画を進めている森ビル。これまでも、都市開発により都市の安全性を高めたり、緑化を強化したりと、大きく貢献しているにも関わらず、なぜか批判の声が目立つ。その理由は何なのか?
麻布台ヒルズは、本当に「ガラガラ」なのか?
久々に麻布台ヒルズを訪れた。
南北線の六本木一丁目駅からも行けるが、それだと少し遠いため、直結している日比谷線の神谷町駅から行くのが一番早い。麻布台ヒルズが誕生した当初は、その認知はまだ低く、「場所が微妙だ」という評価もあった。確かにその評価は間違いないと感じるが、開発側は「地下鉄から直結しているので行きやすく、問題ない」と考えたのだろう。
麻布台ヒルズの中に入ると、多くの人がいる。そのほとんどが外国籍の人だ。私が訪れたのが平日だったことも関係しているのだろう。
特に人が多いのが、「チームラボ」の展示だ。チームラボは外国人観光客に大人気で、豊洲にある「チームラボプラネッツ」は、インバウンド需要に関するニュースサイトである訪日ラボの「インバウンド人気観光スポットランキング」で1位を取ったほどである。麻布台ヒルズの開業当初から、「チームラボの展示だけは人が多い」と言われていたが、その人気ぶりは今も健在だ。
その影響もあって、他のエリアにもかなりの外国人観光客がいた。アート作品も至る所で展示されており、それを撮影する人も多い。特に目立っていたのが、飲食店の行列だ。特に和牛料理やとんかつなどの日本食店は、昼時ともなると長蛇の列ができていた。
以前、私が麻布台ヒルズを訪れた時は、館内全体にインバウンドの波が来ているとは言い難かった。ただ、開業から1年以上が経過し、徐々にその存在が外国人観光客のコミュニティーにも知られてきたのだろう。
麻布台ヒルズのみを対象にしているわけではないため参考程度ではあるが、森ビルの決算を見てみると、その賃貸収益は昨年から増加しており、苦戦している様子はうかがえない。
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