「麻布台ヒルズ」はなぜ批判されるのか? 森ビルが“共感されにくい”理由(3/6 ページ)
「第2六本木ヒルズ」の計画を進めている森ビル。これまでも、都市開発により都市の安全性を高めたり、緑化を強化したりと、大きく貢献しているにも関わらず、なぜか批判の声が目立つ。その理由は何なのか?
緑を増やしている森ビル
実際足を運んだ時の様子や森ビルの決算を踏まえると、「麻布台ヒルズがガラガラで廃虚だ」という表現は誇張されすぎていると感じる。確かに、中のテナントが明らかに一般庶民向けではないのは確かだ。しかし、それ相応の客の入りはあるため、それをねちねちと批判するのは的外れだろう。
こうした森ビル批判は、他の観点からもされている。その1つが、「緑が少ない」というものだ。森ビルは高層ビルの開発を多く手がけており、東京が急速にアスファルト地獄になっているという批判もよく聞く。
言いたいことは分かるが、データを見てみると、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズなど、森ビルがこれまで開発してきた場所では、少しずつ緑の総量が増えている。実際、六本木ヒルズの緑化面積が約1万9000平方メートルに対し、麻布台ヒルズの緑化面積は2万4000平方メートルで、六本木ヒルズと麻布台ヒルズを訪れると、緑の量の違いは明らかである。
また、麻布台ヒルズの中には広場がある。その芝生に座ることもでき、周囲にはベンチやイスもある。「東京は座る場所がない」と言われるが、ここには座る場所も比較的多いのだ。
そもそも、行政による大規模な都市計画がほとんど存在しなかった日本において、ここまで大規模な再開発を、長い年月をかけて調整し、地元との話し合いを続け、実現したことは賞賛されるべきだ。
六本木ヒルズができる前のこの場所は木造の低層住宅が密集しており、防災面での不安が指摘されていた。ただ、土地所有者が多岐にわたっていたため、国も開発ができていなかった。そこを、長い時間をかけて開発したのが森ビルなのだ。森ビルは、東京のど真ん中の、首都の心臓部ともいえる場所の安全性を高めたといっても過言ではない。
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