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なぜ「映画祭」は開催されるのか 文化、経済、国の思惑『映画ビジネス』(2/4 ページ)

カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなど世界の映画祭は、作品の発表と評価の場であると同時に、文化力の発信や経済効果を狙った国の戦略でもある。映画祭がなぜ開催されるのか、その背景は……。

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ヴェネチア国際映画祭

 イタリアの国際美術展であるヴェネチア・ビエンナーレの第18回(1932年)に映画部門としてスタートし、最初の国際映画祭とも言われています。第二次世界大戦により40年から42年は参加作品が減り、戦後も低迷しましたが、50年代に黒澤監督の『羅生門』『七人の侍』、溝口健二(みぞぐちけんじ)監督の『雨月物語』『山椒大夫』、稲垣浩(いながきひろし)監督の『無法松の一生』などの日本映画を世界に紹介したことでも有名です。


(出典:ゲッティイメージズ)

 また、1997年には北野武監督が『HANA-BI』で金獅子賞、2003年に『座頭市』で銀獅子賞、2005年に宮崎駿監督が栄誉金獅子賞、2020年に黒沢清監督が『スパイの妻』で銀獅子賞、2022年に是枝監督がロベール・ブレッソン賞を受賞するなど、近年も日本映画が受賞しています。

 長い間マーケット部門がなく、売買よりも芸術の映画祭として続いてきましたが、2002年にマーケット部門が新設されるなど、商業映画の比重は高まっています。毎年8月末から9月初旬に開催しています。

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