「甘酸っぱい初恋」の象徴だったカルピスが、“甘いだけ”になりつつある理由:スピン経済の歩き方(2/8 ページ)
100年以上続く老舗ブランド「カルピス」に、ここ数年変化が起きている。以前の甘酸っぱさよりも、甘さに寄せている印象があるが、なぜだろうか。
MILK以外にも人気店とコラボ
カルピスはファンマーケティングの一環で、MILK以外にもさまざまなブランドや有名店とコラボをしている。2025年7月には、多くのスイーツファンから愛される有名店の看板商品と初めてコラボする。
銀座コージーコーナーのジャンボシュークリームだ。
1948年創業、今や全国で約420店舗(2025年6月時点)あるコージーコーナーのスイーツの中でも人気の1、2位を争うのがジャンボシュークリームである。大きなシュー皮にカスタード、ホイップ&カスタード、塩チョコがたっぷり入って200円以下という価格で、TBS系の番組『ジョブチューン』で取り上げられた際には、有名パティシエも高く評価した。
そんなコージーコーナーの看板商品がカルピスと初コラボして7月4日に発売するのが「ジャンボシュークリーム カルピス」である(一部店舗では6月27日に発売)。
人気スイーツとコラボするとあって、これまでのコラボ商品のように「カルピスを加えたホイップクリームを入れました」というだけではない。
甘ずっぱく爽やかなカルピスの味わいを表現しつつ、カスタードクリームが自慢のジャンボシュークリームらしさも損なわないように、アングレーズソース(卵黄のソース)を配合(コージーコーナーのプレスリリースより)
お菓子づくりをしている人なら分かると思うが、アングレーズソースはカスタードソースとつくり方もそれほど変わらない甘いソースだ。つまり、ここでも先ほど紹介した「プリン風カルピス」と同様、「甘さ」をしっかりとアピールしているということだ。
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