2015年7月27日以前の記事
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サイゼの「300円ドリア」はいつまで続く? “デフレの申し子”が直面する試練と選択(5/7 ページ)

外食チェーンが次々と値上げに踏み切る中、サイゼリヤは低価格路線を堅持しています。しかし、原材料費や人件費の高騰により、国内の利益率は低下。安さを維持する戦略に限界はあるのでしょうか。

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日本の利益率が、アジア諸国に比べて低い理由

 アジア諸国での業績が好調な一方で、日本国内の利益率が低迷しているのは、コスト構造の変化が大きく影響しています。

 同社は長らく「固定費の抑制」により利益率を維持してきました。しかし最近は、特に人件費や水道光熱費、原材料費の上昇が大きく、これまでのようにコストを抑えて収益性を確保するのが難しくなりつつあります。

 例えば、かつては固定費を売上比で50%以下に抑えることを目標にしており、2023〜24年頃には45%台にまで削減することに成功しています。しかし最近では、変動費がじりじりと上昇しており、かつて42%程度だった比率が、現在では49%近くに達しています。

 変動費上昇の主な要因は、原材料費の高騰です。特に影響を与えているのは、コメをはじめとする食材価格の上昇が大きいと考えられます。

 そのため、サイゼリヤ全体で見れば、アジア諸国での高収益によって6%台の利益率を保っていますが、この変動費の上昇を価格転嫁できなければ、今後営業利益率を上げていくことは難しくなってくると考えられます。

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