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サイゼの「300円ドリア」はいつまで続く? “デフレの申し子”が直面する試練と選択(6/7 ページ)

外食チェーンが次々と値上げに踏み切る中、サイゼリヤは低価格路線を堅持しています。しかし、原材料費や人件費の高騰により、国内の利益率は低下。安さを維持する戦略に限界はあるのでしょうか。

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今後のサイゼリヤの成長戦略は、主に2つ

 そのため、今後のサイゼリヤの成長戦略には、2つの柱があると考えられます。

 1つ目は、アジア諸国、特に中国市場における持続的な成長です。足元の中国経済では、消費者物価指数(CPI)の動きなどを見ても、価格転嫁が進まず、デフレ傾向が強まっていることが分かります。スターバックスをはじめとする企業が一部商品の値下げを実施するなど、現地では価格競争が激しくなっています。

 しかし、このような環境は、効率的な運営体制を強みに持つ企業にとって、競争力を発揮しやすい局面とも考えられます。


若鶏のディアボラ風(500円、出典:サイゼリヤ、以下同)

 サイゼリヤは長年にわたり、低価格を維持しながらも、科学的なオペレーションによって高い生産性を実現してきました。こうした経営手法は、価格が下がりやすいデフレ環境と非常に相性が良く、中国市場でも十分に力を発揮できる可能性があります。

 もちろん、こうした環境下で仮にサイゼリヤが真価を発揮したとしても、利益率がさらに上がるとは限りません。ただし、価格競争が前提となる市場において、低コスト体質を保ちながら一定の利益を確保できる体制を構築できれば、安定した成長が期待できるでしょう。

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