コメの次はうなぎが高騰? “白いダイヤ”争奪戦で、やっぱり日本は買い負けるのか:スピン経済の歩き方(2/7 ページ)
「うなぎの中国依存」という深刻な問題を抱えている日本。今後も日本人が安くておいしいうなぎを食べ続けるために、必要なことは……。
活況とは裏腹に、関係者からは悲観論も
このような形で盛り上がっている「うなぎ商戦」を後押しするニュースも飛び込んでいる。うなぎの稚魚「シラスウナギ」が記録的な豊漁で、例年の15分の1程度の価格で取引されている地域もあるというのだ。今すぐうなぎが安くなるということはないが、秋からは値下がりするのではという見方もある。
ただ、意外なことに“うなぎビジネス”にかかわる人々はあまり浮かれていない。それどころか、「コメの次に高騰するのはうなぎかもしれない」「うなぎでこんなに稼げるのも今年で最後かも」という悲観論まで出ているのだ。
6月27日、欧州連合(EU)がドミニカ共和国など3カ国と共同で、ニホンウナギを含む世界のうなぎ全種をワシントン条約の対象に加えるよう提案したからだ。
ご存じの方も多いだろうが、ワシントン条約とは、絶滅の恐れのある野生動植物を保護するために国際取引を規制するものだ。2025年は豊漁のシラスウナギだが、不漁のときはかなりの高値で取引されることから「白いダイヤ」などと呼ばれている。もしワシントン条約でその取引が規制されれば、価値がさらに高まる可能性もある。
実際、2014年に国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを「絶滅危惧種」に指定した際にもシラスウナギの取引価格は1キロ300万円に高騰。2017年には1キロ427万円と、当時の金1キロ価格を超えたと話題になった。
つまり、コメの価格がひどいときは「昨年から2倍」ほど高騰したが、それと同じことが今度はうなぎで起きるかもしれないのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
業績を大きく伸ばすアウトレットがある一方で、ほとんど人も来ず、空きテナントだらけのアウトレットが増えている。その原因は何なのか?
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
