連載
コメの次はうなぎが高騰? “白いダイヤ”争奪戦で、やっぱり日本は買い負けるのか:スピン経済の歩き方(3/7 ページ)
「うなぎの中国依存」という深刻な問題を抱えている日本。今後も日本人が安くておいしいうなぎを食べ続けるために、必要なことは……。
うなぎが絶滅の危機に!?
今、うなぎ専門店で国産うなぎのうな重を食べようと思ったら、少なくとも3000〜4000円はかかるが、ワシントン条約で規制されれば、価格が5000円、6000円に上がる可能性もある。
実はこういうリスクが発生することは、うなぎ業界ではかねて言われていた。手前味噌(みそ)で恐縮だが、筆者も約1年前に公開した記事「なぜ『うなぎビジネス』が盛況なのか “うなぎのぼり”が続きそうな3つの理由と大きな不安」(ITmedia ビジネスオンライン 2024年7月10日)の中で以下のように“予測”していた。
これからうなぎの不漁が続き、さらに密漁も深刻になっていけば、日本だけではなく国際社会でも「うなぎ保護」の機運が盛り上がる可能性がある。
なぜ筆者がこう考えていたのかというと、記事の中にもある「密漁」をはじめとする違法取引がかなり深刻な事態となっているからだ。
「WWFによると、カナダでは2022年、許可された採捕量約10トンに対して約43トンのアメリカウナギの稚魚が香港に輸出されていた。政府が漁を許可しなかった24年も約42トンが輸出された記録もあるという。ハイチでは22年に稚魚100トンが香港に輸出されたとされるが、実態把握は難しいという」(産経ニュース 2025年6月5日)
シラスウナギが全て「香港」に集められていることから、もうお分かりだろう。そう、中国が世界中で「白いダイヤ」をかき集めているのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
業績を大きく伸ばすアウトレットがある一方で、ほとんど人も来ず、空きテナントだらけのアウトレットが増えている。その原因は何なのか?
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
