「冷蔵庫未満、タッパー以上」 “もう一つの保存家電”がヒットしたワケ：テストマーケティングから見るプロダクトの近未来（2/3 ページ）

猛暑と食料高騰が続く中、累計1.5億円超の支持を得た真空保存容器「OoBLE」が注目を集めている。生活者の「冷蔵庫が欲しいのではない」という本質的ニーズに寄り添った、新たな保存ソリューションとは。

[朝倉亮（マクアケ），ITmedia]

“冷蔵庫未満、タッパー以上”がヒット

　OoBLEは、電力を使って1日に数回、真空圧を自動で調整する機構を備えています。空気の侵入を防ぐことで酸化を抑え、鮮度を長持ちさせられることが特徴です。通常の保存容器と比べて、鮮度を約4倍長持ちさせるというデータもあり、冷蔵庫やタッパー型容器とは異なる新たな保存アプローチとして注目を集めています。

真空保存が可能

　「おいしさを保つ魔法の容器」とも称されるこの製品は、「いつでもおいしいものを食べたい」という欲求と「食品を無駄にしたくない」という罪悪感の回避という、2つのニーズに同時に応える点で高く評価されています。「冷蔵庫が欲しいのではなく、食材をおいしく長持ちさせたい」という、生活者の本質的なニーズに応えたことがヒットの要因と考えられます。

生活者のニーズに応えたことでヒット商品に

　さらに、近年特に価格の上昇が目立つ「米」の保存にも適しており、スタイリッシュな米びつとしての用途も支持されています。

　Makuake上には、「冷蔵が必要になった野菜が増えてきましたが、これがあれば安心です」「冷蔵庫で米を保存していましたが、場所を取って困っていました」といったコメントが数多く寄せられています。

米びつとして利用する人も