インタビュー
「ヨーカドーのポッポ」はまだ生きている――“昭和の軽食処”のさりげない進化(3/6 ページ)
ピーク時の145店舗から24店舗に縮小したフードチェーン「ポッポ」だが、実は着実に売り上げを伸ばしている。その戦略に迫った。
価格競争力が支える客層
ポッポの強みは価格にある。「醤油らーめん」の550円という価格は、今や“1000円の壁”を超えたとされるラーメン業界の中では破格だ。
「ポッポの顧客にはサラリーマンも多いのですが、支持される理由は、注文してすぐに商品が出てくるスピード感と、価格の安さにあると思います。醤油らーめんが550円で食べられるというお得感が、ポッポが選ばれている理由かもしれません」(渡辺氏)
メニューの幅広さも特徴的だ。現在は数十種類を展開しており、「ラーメンやたこ焼き、フライドポテト、ソフトクリームなど、年齢や好みに関係なく、誰でも楽しめるメニューがそろっています。ご家族連れで来ても全員が満足できるという点が、他にはない強みです」と渡辺氏は強調する。
ただ、これでもメニュー数を減らしたのだという。かつては100種類を超えており、お好み焼きやクレープなども提供していた。しかし、調理時間の長いメニューは、顧客のライフスタイル変化に合わせ、2024年9月に販売を終了した。
「ラーメンは5分程度で出てくる一方で、お好み焼きは15分ほどかかってしまう。そうなると、家族で食べに来た場合、食べ終わりの時間に差ができてしまい、不便を感じるお客さまもいました」(渡辺氏)
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