インタビュー
「ヨーカドーのポッポ」はまだ生きている――“昭和の軽食処”のさりげない進化(4/6 ページ)
ピーク時の145店舗から24店舗に縮小したフードチェーン「ポッポ」だが、実は着実に売り上げを伸ばしている。その戦略に迫った。
「ポッポらーめん紀行」で挑んだ価格の壁
メニュー数は減らした一方で、新メニューの開発は常に行っている。2024年春から始まった「ポッポらーめん紀行」は、ポッポにとっての新たな挑戦だ。それまで500円台だったラーメンを、690円で提供する試みで、販売するご当地ラーメンを定期的に入れ替えている。
「今まで600円台のラーメンは販売したことがありませんでした。そのため、『本当に売れるの?』『高いと思われてしまうのでは?』といった声もあり、不安を感じながら販売しました」と渡辺氏は振り返る。しかし実際は、計画比150%の売り上げを記録したという。
この成功の要因について渡辺氏は、「品質の良いものを、高い値段で出すだけだとおもしろくない。せっかくなら、普段食べられないようなご当地グルメを提供して楽しんでもらおうと考えました」と説明した。
「らーめん紀行を楽しみに来店される女性のお客さまも多くいらっしゃいます。旅行にはなかなか行けなくても、ポッポに来れば各地の味が楽しめる。その手軽さが人気の理由かもしれません」と、池田店長も客層の変化を感じている。
また、現在販売中の「熊本風豚骨らーめん」は、九州産の高菜を使うなどのこだわりようだ。「地元の食材を使うことで、より良い味にしていきたい」と渡辺氏は意気込む。
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