2015年7月27日以前の記事
検索
連載

履歴書に“うそ”を書く人は多いのか 海外の学歴詐称を見破りにくい理由世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)

静岡県伊東市長の学歴詐称が話題だが、海外でも大きな問題だ。米国で行われた調査では、7割が履歴書に虚偽の記載をしたことがあると回答。インドでは学歴詐称が広く横行している。海外からの求職者が増える中、経歴を確認できる体制づくりも必要だろう。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

経歴をチェックできる体制も必要に

 学歴や経歴の詐称が横行すると、きちんと学校を卒業し、仕事のキャリアを積んできた人たちがばかを見る結果になる。経歴詐称をする人は、少しでも自分を良く見せたい思いがある。経歴が少しでも良く見えるように記載内容を工夫するくらいなら、ある程度は許されるかもしれないが、詐称となるとそうはいかない。

 また、毎年10%近く外国人が増えている日本では、海外の教育機関を卒業した人が求職者となるケースが増える。そうなると、経歴を確認できない問題が生じるだろう。先のインドのケースのように、簡単に卒業証書を購入できてしまう国もある。

 そうなると、海外での学歴や経歴はなかなか裏取りができない。今後、移民が増える日本の大きな課題の一つになる可能性がある。そういうバックグラウンドチェックができるような体制づくりも必要になるかもしれない。


確認が難しい経歴もチェックできるようにする必要があるかもしれない(画像提供:ゲッティイメージズ)

 詐称行為は、小さなものだったとしても大きく信頼を失うことになる。信頼を取り戻すのは難しく、取り返しがつかなくなる。仕事や役職によっては、平気で詐称をする人物とみなされて、仕事を続けられなくなるだろう。

 伊東市長の問題で市民が言った「高卒でもいい、うそはだめ」というコメントがすべてだろう。詐称は決して許してはならない。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)、『死体格差 異状死17万人の衝撃』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る