「寄せて上げて」はもう古い? ユニクロやファミマが変える“下着の常識”:ノンワイヤー革命(2/5 ページ)
かつて、「寄せて上げて」が主流だったブラジャー市場が様変わりしている。近年は、体を締めつけにくいノンワイヤーブラの人気が急上昇。バストラインをキレイに整えるワイヤーブラよりも売れているという。ヒット商品を販売するユニクロ、ワコール、トリンプ、ファミリーマートに取材した。
「ノンワイヤー」はどんどん進化
ユニクロは2003年に、ワイヤー入りとワイヤレス(ノンワイヤー)のブラを発売し、ブラジャー市場に参入。2005年には、下着市場の拡大を狙って、ユニクロ初の女性インナー専門店「BODY by UNIQLO(ボディ・バイ・ユニクロ)」を立ち上げた(のちに閉店)。2008年には、カップ付きインナー「ブラトップ」を発売し、口コミやCMの放映によって、徐々に支持を集めていった。
「2008年頃は、『寄せて上げて』という方向性が主流で、市場の9割近くをワイヤーブラが占めていました。ですが、キレイに見せるためのバストメイクよりも、快適な下着を着用することで女性の生活をサポートしたい思いがありました。女性の生き方が多様化していく先駆けのタイミングで、マルチタスクをこなすにあたり、ノンワイヤーが生活衣料品の新たな選択肢になると考えたのです」(ユニクロ 炬口氏)
同社では、2011年に「ノンワイヤーブラ」への一本化を決め、新聞広告で宣言。ワイヤーブラはホールド力は高いが、どうしても窮屈さがある。ならば、既存のノンワイヤーのホールド力を高めれば、ワイヤーブラよりも着心地のいい製品ができると考えたのだ。
2016年には、薄くて軽い弾力性のある樹脂パーツをカップに内蔵した「ワイヤレスブラ ビューティライト」(2020年に「ワイヤレスブラ/3Dホールド」に名称変更)を発売。2023年には、体温によってじんわり伸びるパーツを使用した新構造にリニューアル、ワイヤーブラにも劣らないホールド力を追求している。
ブラトップも毎年のようにリニューアルを重ねている。現在は、インナーだけでなく、1枚で洋服のように着られるリブ素材のタンクトップやワンピースタイプなど、ラインアップも充実している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「男性用のレース下着」なぜ人気なのか ワコールが販売して分かったこと
ワコールの男性下着ブランド「ワコールメン」から発売された「レースボクサー」の勢いが止まらない。なぜ多くの男性から支持を得ているのか。
身長155センチ以下! 小柄女性向けのブランドが、「月商1億円」になった秘密
小柄女性向けのブランド「COHINA」をご存じだろうか。2018年に創業し、その後、順調に売り上げを伸ばしているのだ。その要因として、何があるのか。毎日続けていることがあって……。
「モデル」に登録する女性がなぜ増えているのか 3つの理由がからみあう
「モデル」と聞くと、「華やかな世界」「憧れるけれど、遠い話」と思われる人も多いかもしれないが、“副業モデル”のような形で登録している人が増えている。その背景には、何があるのか。取材したところ、3つの理由がからみあっていて……。

