「寄せて上げて」はもう古い? ユニクロやファミマが変える“下着の常識”:ノンワイヤー革命(3/5 ページ)
かつて、「寄せて上げて」が主流だったブラジャー市場が様変わりしている。近年は、体を締めつけにくいノンワイヤーブラの人気が急上昇。バストラインをキレイに整えるワイヤーブラよりも売れているという。ヒット商品を販売するユニクロ、ワコール、トリンプ、ファミリーマートに取材した。
英国で火がつき、海外でもヒット
ユニクロの「ブラトップ」は、2023年頃から海外でも人気に火がついた。発端は英国在住女性によるTikTok投稿で、「1枚着るだけでブラジャーの線を気にせずに外出できて便利」として一気に認知が広がった。その人気は欧州から米国にも広がり、2024年の海外でのブラトップの売り上げは、2022年比で2倍以上にもなったという。
「国内では浸透しているブラトップですが、海外市場ではまだ一般的ではなかったんです。一気に人気を獲得したのは、コロナ禍で人々の価値観が変化してきたタイミングだったのも影響しているのかなと。快適性のニーズに加えて、スポーツウェアが日常的に着られるようになったり、若年層にジェンダーレスの価値観が広まったりする潮流もありました。それらが相まって、『快適に過ごせるなら、これ1枚でいいよね』と受け入れられたのだろうと」(ユニクロ 炬口氏)
日本では、ユニクロの主な顧客層である30代後半〜40代がワイヤレスブラやブラトップを多く購入しているが、欧米では20代の若年層から人気を集める。それまで欧米では少なかった20代の顧客が、ブラトップのブームを機に一気に来店するようになったそうだ。
日本では、吸汗速乾性や消臭機能があるエアリズム素材の製品、いわゆるインナーとして着るブラトップが主流だが、欧米では、洋服のように着られるリブ素材のブラトップが真っ先に注目された。ブラトップのブームをきっかけに、最近ではワイヤレスブラの売れ行きも伸びているという。
「ユニクロのものづくりの強みとして、さまざまな体型や人種のモデルを多数集めて、繰り返しモニター調査を行うプロセスが挙げられます。ブラトップやワイヤレスブラも欧米では構造を変えていて、その品質が海外でのヒットにつながりました。とはいえ、まだこうした製品を知らない方のほうが圧倒的に多い。よりローカライズを強化して、現地でもロイヤルカスタマーを獲得していきたいですね」(ユニクロ 炬口氏)
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