ニトリが放った「冷蔵庫」の次の一手 売上3.8倍の理由は“まんなか”にあった(1/4 ページ)
冷蔵にも冷凍にも切り替え可能な「変温室」を“まんなか”に備えたニトリの冷蔵庫がヒットしている。冷凍食品の需要拡大やライフスタイルの変化を背景に、売り上げは前年の3.8倍に。開発の舞台裏を取材した。
冷凍スペースが足りない。そんな悩みを解決してくれる冷蔵庫が話題となっている。ニトリが2025年6月中旬に発売した「まんなか切替冷蔵庫」(6万9900円)だ。冷蔵室にも冷凍室にもなる「変温室」を搭載し、用途に応じて切り替えられる機能がウケている。
発売から1カ月間の売れ行きは好調で、前年に販売した同容量の冷蔵庫と比べて、売上高は3.8倍、販売数量は1.8倍に伸びたという。同商品の特徴と開発背景について、担当者に話を聞いた。
「まんなか切替冷蔵庫」は、2〜3人暮らしに適した271Lサイズで、冷蔵室が135L、冷凍室が100L。冷蔵室と冷凍室の間に約1.2個分の買い物かごに相当する36Lの「変温室」を設けている。変温室はプラス5度からマイナス18度まで1度刻みで温度設定が可能で、季節やライフスタイルに応じて冷蔵・冷凍を自由に切り替えられる。
変温室を冷凍設定にすれば、もともとの冷凍室と合わせて合計136Lの冷凍室容量となり、一般的な400〜450Lクラスの冷凍冷蔵庫に匹敵する容量となる。
温度調整は冷蔵庫のドアに設置されたコントロールパネルで行い、ドアを開けずに操作できるため、省エネ効果も期待できる。微凍結(マイナス3〜0度)なら食品を凍らせずに鮮度を保ち、弱冷凍(マイナス5〜マイナス3度)なら肉や魚を解凍不要で包丁でカット可能。1度刻みの温度調整によって、幅広いニーズに応えている。
本体の奥行きは595ミリで、一般的なシステムキッチンの奥行き(650ミリ)より省スペースとなっており、限られた住環境でも圧迫感なく設置できる。マット仕様のホワイトとブラックの2色展開で、ニトリらしいシンプルなデザインにするなどインテリア性も重視した。
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