“11万円のウイスキー”が即日完売 キリンビールが売れると「確信」できたワケ:テストマーケティングから見るプロダクトの近未来(1/3 ページ)
11万円という価格にも関わらず、生産上限であった2500セットが即日完売した、キリンビールの「人生を共に生きるウイスキー」。これを可能にした、あるマーケティング戦略とは……?
「テストマーケティングから見るプロダクトの近未来」
企業の新商品・サービスの挑戦を支援するプラットフォーム、Makuake。ここでは日夜、新たなコンセプトを持った商品が企画され、ユーザーの厳しい目にさらされている。多くの支持を集めた商品にはどのような特徴があるのか。本連載では既に終了したプロジェクトを振り返り、成功の要因からプロダクト開発の近未来を探る。
著者プロフィール:早川将司(はやかわ・まさし)
株式会社マクアケ MIS事業部 新規事業開発プロデューサー
1986年生まれ。2009年法政大学卒業後、ブライダルプロデュース会社、マーケティング会社、デザインコンサルティングファームを経て2020年に株式会社マクアケに参画。入社後からはMakuakeでの先行販売時におけるコンサルティングだけでなく、新商品やサービスの企画・開発段階から新規事業立ち上げに至るまで一貫した支援を行うMIS事業部にて新規事業開発プロデューサーとして従事。
「顧客価値」という言葉を耳にする機会が増えています。マーケティングの分野では長く使われてきた概念ですが、顧客のニーズが多様化している今、「誰にとって、どのような価値があるのか」を見極める視点として、改めて注目が集まっています。
この「顧客価値」に向き合い、応援購入サービス「Makuake」で1セット11万円という高価格帯にもかかわらず、生産上限であった2500セットを、発売当日に完売させたのは、キリンビール社のプロジェクト「人生を共に生きるウイスキー」です。
このプロジェクトが成功に至った背景にある、「顧客価値」の重要性について掘り下げていきます。
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