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クルマのヘッドライトは明るいほどいいのか 「まぶしさ」を解消する最新技術高根英幸 「クルマのミライ」(4/5 ページ)

クルマのヘッドライトは急速に進化してきた。明るさとデザイン性を高めてきた一方で、周囲のドライバーが「まぶしい」と感じてしまう問題も発生。それを解決する新しい技術も開発されている。今後も、より安全で広い視界を確保できるライトが出てきそうだ。

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「明るすぎるライト」をどう解決するか

 そんなドライバーの悩みを解決してくれそうな装備がADB(アダプディブ・ドライビング・ビーム=自動的に照らし方を調整するヘッドライト)だ。対向車や前走車の存在によって光の広がりを調整してくれる、インテリジェントなヘッドライトである。

 従来はハイビームとロービームだけの切り替えであったが、ADBではハイビームのまま対向車を検知すると、対向車に光が当たる部分のみロービームへと配光を切り替える。これにより、対向車の両脇は遠くまで照らされ、障害物や歩行者の発見遅れなどが防げる。


小糸製作所がコンパクトカーや軽自動車向けに開発、供給するADBの例。コストを抑えて実現する3種類の構造がある(筆者撮影)

 自動車メーカーによって構造はさまざまだが、その多くを供給している小糸製作所によれば、ADBもLEDヘッドランプの進化に伴って急速に進化しているという。

 今ではコストや目的に応じて何種類もの構造があり、幅広い車格で採用されている。まぶしさと視界拡大は相反する課題だが、それを解決する手段として、ランプメーカーはADBを進化させているのだ。


小糸製作所によるADBのロードマップ。登場時はかなり粗かった制御も、徐々に細分化され、近々登場する次世代型では1万6000個のマトリックス型LEDを制御するようになるらしい(写真:小糸製作所)

 特にアウディは先端技術や革新的なテーマが得意であるため、このような分野に力を入れている。ADBに関しても、いくつものLEDをそれぞれ制御することにより、10億通りもの配光パターンを実現したタイプを登場させた。

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