20分で2500台完売! ケルヒャーの“小型高圧洗浄機”が、日本市場にぴったりの理由(2/5 ページ)
ケルヒャージャパンは手のひらサイズの高圧洗浄機「OC Handy Compact(ハンディエア)」を発売した。クラウドファンディングで即完売し、小型化により収納や携帯性を重視。今後は一般発売とグローバル展開を目指す。
「置く場所がない」を小型化で解決
ケルヒャーといえば大型の高圧洗浄機が定番だが、なぜ小型化したのか。同社の調査によると、「高圧洗浄機に興味はあるけど、自宅に置き場所がない」という理由から購入を見送る消費者が少なくないという。
日本の消費者は「置き場所を決めてから物を買う」傾向が強く、その背景には日本の住環境がある。マンション居住や都市部では狭小住宅も多いことから、収納スペースが限られ、大型の清掃機器を保管するのが難しい。また、購入しても「セッティングが面倒で年に数回しか使わない」ユーザーが多いという。
電源や水源の確保も課題となる。ベランダで家庭用高圧洗浄機を使う際、室内の電源につなげるケースが多く、窓を開けたまま作業するため室内に水が入るリスクがある。
これらの課題を解決するため、同社が着手したのが小型化だった。ケルヒャージャパン家庭用プロダクト部の東郷さんは「手軽に使えるようになれば使用頻度も上がる」と小型化の狙いを語る。
2020年に、ケルヒャージャパンは「K MINI」(希望小売価格2万6840円)というモデルを投入した。日本のユーザー目線で開発したコンパクト設計と軽量化で取り扱いが簡単になり、特に女性ユーザーからの支持を集めた。そして、2025年4月にはハンディエアの姉妹品にあたるモバイル洗浄機「ハンディジェット」(同1万4982円)も発売し、販売数は順調に推移しているという。
小型化の手応えを得た同社は、高圧洗浄機を使ったことがない層に向けて、さらにコンパクトさを追求したハンディエアを開発した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
コクヨ「大人のやる気ペン」が人気 約1万円でも売れる“共感の理由”
コクヨが発売した「大人のやる気ペン」に注目が集まっている。マクアケで約3500万円の応援購入が集まり、その後も売れている。ニッチな高額製品なのに、なぜ人気なのか。
ファミマ「初サングラス」が大ヒット 3週間で完売した理由
ファミリーマートの「コンビニエンスウェア」、夏の新作が好調だ。ブランド初展開となる「サングラス」は、発売から1カ月足らずで、ほぼ完売したという。どんな商品なのか。
ニトリが放った「冷蔵庫」の次の一手 売上3.8倍の理由は“まんなか”にあった
冷蔵にも冷凍にも切り替え可能な「変温室」を“まんなか”に備えたニトリの冷蔵庫がヒットしている。冷凍食品の需要拡大やライフスタイルの変化を背景に、売り上げは前年の3.8倍に。開発の舞台裏を取材した。
バルミューダの「高級ホットプレート」なぜ人気? 発売1年で4万5000台突破のワケ
バルミューダのホットプレート「BALMUDA The Plate Pro」が好調だ。4万円を超えるのに、なぜ人気なのか。担当者を取材したところ……。


