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ポイント経済圏の知られざる主戦場 データは小売業の未来をどう変えるのか?「ポイント経済圏」定点観測(2/7 ページ)

楽天、Vポイント、Ponta、dポイントの4大勢力が展開するポイントビジネス。その本質は、単なる顧客の囲い込みではなく、別の意図があった……。

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知られざるポイントカードの「対価」

 あなたがレジでポイントカードを提示すると、購入した商品一つ一つのデータが加盟店から楽天へと流れる。オムツやビール、冷凍食品など、「何を買ったか」という情報こそが、ポイント付与の真の対価なのである。

 「加盟店からはPOS情報を連携してもらう形でサービスを提供している」(林氏)。楽天ポイントカードを導入する加盟店は、購買データを提供することを前提にポイントを付与している。

 このPOSデータ(販売時に得られる売り上げデータ)がもたらす価値は大きい。ポイントカードのIDとひも付けることで、今日のレシートと3カ月前のレシートが、同じ人のものだと分かる。「IDが付くことで、特定の顧客の年間購買額も把握できる。例えば、あるIDの方が年間100万円分購入しているといったことが分かる」(林氏)。

 決済サービスとの違いは明確だ。楽天ペイもPayPayも、どこでいくら使ったかは分かるが、何を買ったかまでは見ることができないからだ。クレジットカードも同様で、購入商品の詳細な情報はない。1000円分の決済があっても、お弁当を買ったのか、文房具を購入したのかまでは分からないのである。しかしポイントカードなら、商品レベルでの購買行動を把握できる。

 POSデータは、各企業にとって最高機密レベルの情報である。そのため、預かったPOSデータは、原則としてその企業のマーケティングに資する範囲でのみ活用される。ただ、共通ポイントの仕組みにおいては、規定に同意した企業同士でのデータ共有が可能となっている。

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