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ポイント経済圏の知られざる主戦場 データは小売業の未来をどう変えるのか?「ポイント経済圏」定点観測(5/7 ページ)

楽天、Vポイント、Ponta、dポイントの4大勢力が展開するポイントビジネス。その本質は、単なる顧客の囲い込みではなく、別の意図があった……。

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マーケティング効果の実証

 「全員にクーポンを配信する場合と、狙いを絞って配信する場合とでは、効果が2〜4倍違う」(林氏)。この数字が意味するのは、真水の売り上げ――つまり施策がなくても発生したであろう売り上げを除いた、純粋な増加分だ。

 最近の成功事例がドラッグストアだ。顧客の購買履歴を分析し、ニーズに応じてクーポンの内容を変更したところ、実際の購入につながるケースが増加した。

 マーケティングの精度を支えるのは、分析から配信、効果測定までの一気通貫システムだ。従来の広告では最終的な売り上げへの貢献度が不明確だったが、楽天のシステムでは広告を見た顧客が実際に来店し、何を購入したかまで追跡できる。


楽天パシャは一見地味なサービスにも見えるが、ここで得た情報が楽天ポイントのマーケティング価値を強化できることを考えると、SPU(スーパーポイントアッププログラム)に組み込まれている理由も分かる

 消費者がレシートを撮影・投稿することでポイントがもらえるサービスである「楽天パシャ」も活用されている。これにより、楽天ポイントを導入していない店舗のデータも収集でき、近隣店舗と自店の売れ筋商品の違い、競合の価格戦略が可視化される。

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