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ポイント経済圏の知られざる主戦場 データは小売業の未来をどう変えるのか?「ポイント経済圏」定点観測(4/7 ページ)

楽天、Vポイント、Ponta、dポイントの4大勢力が展開するポイントビジネス。その本質は、単なる顧客の囲い込みではなく、別の意図があった……。

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「カスタマーDNA」が描く消費者像

 楽天が「カスタマーDNA」と呼ぶデータ群がある。1億件を超える楽天IDそれぞれに付与された、数千項目に及ぶ属性データだ。70種類以上のサービスから収集したデータを統計的に処理している。

 データ活用の流れは、次の通りだ。楽天市場での検索履歴や購入商品、楽天トラベルでの宿泊先、ポイント加盟店での購買履歴などの行動データを収集。これらを統計処理し、「30代女性、既婚者で2人の子どもがおり、ペットを飼っていて、世帯年収は800万円以上」といった属性フラグを付与する。


データ活用による顧客アプローチのフロー。集客→補足→理解→実施の4段階で、カスタマーDNAにより個々の顧客属性を詳細に把握し、最適なマーケティング施策を実行

 「私も自分のIDでカスタマーDNAを調べたことがあるが、割と当たっていた」と林氏は笑う。楽天会員として登録していない情報まで、ある程度推定できているという。

 このカスタマーDNAと加盟店のPOSデータを掛け合わせることで、店舗ごとの傾向が見えてくる。「シニアが多い店舗では一人暮らし用の商品や魚が売れやすく、ファミリー層が多いエリアでは肉を中心とした大容量パックが売れる」(林氏)といった具合だ。

 実際の施策では、顧客を5〜10のグループに分類する。「項目数は何千とあり、組み合わせは何万通りにも及ぶが、ビジネスで使うなら5〜10種類のグループに整理する方が実行性が高い」(林氏)

 プライバシーへの配慮も重要だ。「どのエリアに住んでいるかという情報はあるが、詳細な住所のデータは使っていない」(林氏)。楽天カードの支払い遅延情報や、楽天銀行の預貯金額といった金融関係のセンシティブな情報は、マーケティング分析には使用されていない。

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