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トップでも先陣は切らない AOKIHD副社長に聞く「快活CLUB独り勝ち」の真相(1/3 ページ)

快活CLUBの独り勝ちが止まらない。なぜ、ここまでの快進撃が続いているのか。AOKIホールディングスの照井則男副社長に聞いた。

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 快活CLUBの独り勝ちが止まらない。コロナ禍で市場全体が縮小する中でも、同社は鍵付き完全個室と時間貸しの利便性によって、新規需要を着実に取り込んでいる。この5年間でも、運営会社の快活フロンティアの売上高は、2020年3月の約584億円から約725億円(2025年3月)まで伸ばしている状況だ。

 一方でインターネットカフェ業界全体を見ると、苦境に立っている。東洋経済によると、ここ十数年で店舗数が8割も減少。こうした局面でも快活CLUBは店舗数は横ばいを維持し続け、日本複合カフェ協会に加盟する737店のうち、快活CLUBだけで492店舗(2025年4月時点)。実に約66.8%を占める。

 快活フロンティアの親会社は、実は「スーツのAOKI」で知られるAOKIホールディングスだ。祖業であるAOKIのファッション事業の売り上げ以上に、快活フロンティアの「エンターテイメント事業」が底上げをする形が続いており、現在では快活フロンティアの売り上げがグループ全体の38.6%を占める。

 なぜ、ここまでの快進撃が続いているのか。独り勝ちの勝因は? AOKIホールディングスの照井則男副社長に聞いた。


照井則男 1996年に日本マクドナルド株式会社入社。2003年にスターバックスジャパン株式会社入社。2008年4月にVice Presidentに就任し、本国と連携をとりながらシステムデザインから設計までの刷新に取り組む。2015年に株式会社AOKIホールディングスに執行役員 情報システム副本部長として入社。2018年に常務取締役 情報システム本部長、2019年6月グループ情報システム担当を経て2023年6月に取締役副社長執行役員に就任。ほか株式会社ランシステム取締役、 株式会社快活フロンティア取締役執行役員を現任している。68歳。東京都出身(撮影:河嶌太郎)

リモート定着で高まる「時間を買う」需要

――快活CLUBはコロナ禍以降、リモートワークとの相性が良いビジネスとして成長しているように見えます。その点をどう考えていますか。

 やはりリモートワークやテレワークの広がりは大きな追い風となりました。同時に、日本の住居事情も影響しています。家では子どもの存在などで集中が難しく、勉強や資格取得のために自分だけの時間や空間を持ちたい、そうしたニーズが影響していると考えています。

 通勤や帰宅の途中に、1時間でも2時間でも利用できる個室があるのは非常に便利です。快活CLUBは空調も含めて快適な環境を提供しており、まさに「時間を買う」サービスとして利用者の支持を得られました。ホテルのように1泊単位でしか借りられないわけではなく、時間貸しでニーズに応じた利用環境を確保できる。この特性がリモートワーク時代の新しい生活様式に合致したのだと思います。

――その結果、直近でも店舗が大幅に増えています。出店を加速できている要因はどこにあるのでしょうか。

 一つは、グループとして全国に既に多くの店舗を持っていることです。それによって既存店舗を改装する形でのテストができることが強みです。例えば、鍵付き完全個室だけを設けた新形態の店舗に改装し、その稼働率や利用状況を実際に検証します。その上で、一定の成果が確認できれば、その形態の店舗を類似エリアに新規出店していく。つまり、実験的な取り組みを既存店舗でトライし、うまくいけば新しいモデルとして多店舗展開するやり方です。

 こうしたテストを繰り返しているので、直近の出店は単なる拡大ではなく、検証済みのモデルをベースに実行しています。加えて、コロナ禍以降の空き店舗情報が出てきたこともあり、そうしたスペースを有効活用する形で小型店舗を出しています。顧客需要と店舗供給の両方がうまく重なったことで、直近の出店拡大につながっています。


快活CLUBの通路

トップランナーでも先陣は切らない 良事例を取り込む戦略

――今回、7月に一度に2店舗新規出店した京都のような地域もありますね。

 単純にビジネス需要だけで動いているわけではありません。出店にあたってはエリア特性をしっかり見極めます。物件が出てきたときには、経営陣も直接関与して判断しています。私自身もITやDXの担当ではありますが、実際に店舗に出向いて現場のサービスを確認したり、競合他社の店舗を訪れたりしています。

 現場で体験を積み、そこで「競合がこういうサービスをしているなら、当社はこう差別化すべきだ」と意見を述べることができます。出店判断は、立地や物件条件だけではなく、ITやDXの観点も含めた複合的な視点でするようにしています。これによって、大きな外れが少ない出店戦略を実現できている。そう感じています。

――やはり成長の背景にはITやDXの強化がありますね。他社に比べても、快活CLUBは一歩抜きん出ている印象があります。

 しかし、実はわれわれは決して、競合他社に対して「先頭を切る」ことはしていません。むしろ競合や異業種の取り組みをよく観察し、好事例を取り入れていく姿勢を大切にしています。国内だけでなく海外のチェーンやサービスにも目を向けています。ITだけでなく、店舗開発の仕組みも含めて研究しており、それは快活CLUBだけでなく、AOKIグループ全体で共有しています。

――参考にしている海外事例など、差し支えない範囲で教えていただけますか。

 例えば韓国では予約システムや業務オペレーションの効率化が非常に進んでおり、参考になる部分が多いです。部屋をできるだけ無駄なく回転させる仕組みづくりですね。退店と同時にスタッフの端末に通知が入り、即座に清掃に入れるようにする。これは小さな工夫ですが、積み重ねることでコストも生産性も最適化できます。現地を実際に視察しながら、こうした運営方針に学ぶことが多いですね。


快活CLUB 都城店

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