コラム
セールの魅力はまだある? 「春が飛んだ、秋も飛んだ」アパレル事情:アパレルビジネス(1/4 ページ)
春物や秋物の販売時期が気候変動で短縮され、「春が飛んだ」「秋も飛んだ」と呼ばれる現象が広がっている。アパレル業界では在庫やセールの在り方を見直し、プロパー販売やアップサイクルで対応している現状を解説する。
この記事は『アパレルビジネス』(久保雅裕/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
近年よく言われる「春が飛んだ」「秋が飛んだ」という言葉を、ご存知でしょうか。気候変動の影響で、3〜4月から暑い日が続き、10月になっても30度を超える日があるなど、気が付けば、春物、秋物を売る時期がなくなってしまっていることを指した言葉です。
通常2月に春物が店頭に立ち上がり、3〜4月に本番を迎え、5月から夏物を展開し、6月末または7月頭から春夏物のセールが始まります。そして8月のお盆過ぎから秋物が立ち上がり、10月から冬物、12月にセールを行って、1月正月商戦、春の立ち上がりへとつなげます。
ところが、3月から20度を超える夏日が幾日もあり、そのまま真夏へと突入するので春物のプロパー販売の機会がなくなることを「春が飛んだ」と表現したわけです。同様に秋物を売りたい本番の9〜10月に残暑が長引いて、消費者が「秋物を買う気にならない」という困った状況が生まれています。
アパレルメーカーでは、このような気候の変化に対応するため、秋の立ち上がり商品を薄手の秋色にするなど、季節感は秋でも素材やアイテムは暑い日でも着ることが可能な企画に変更しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ファミマ「初サングラス」が大ヒット 3週間で完売した理由
ファミリーマートの「コンビニエンスウェア」、夏の新作が好調だ。ブランド初展開となる「サングラス」は、発売から1カ月足らずで、ほぼ完売したという。どんな商品なのか。
「男性用のレース下着」なぜ人気なのか ワコールが販売して分かったこと
ワコールの男性下着ブランド「ワコールメン」から発売された「レースボクサー」の勢いが止まらない。なぜ多くの男性から支持を得ているのか。
「ローソンの偏愛アイテム」まさかの人気、カタカナTシャツも売れてます
ローソンが6月10日に限定発売した「偏愛アイテム」に、じわじわと注目が集まっている。特に、Tシャツは“ローソンらしさ”が際立ち、SNSで賛否両論が見られる。社内でも反発や疑問があったというが、実際売れているのか?
「寄せて上げて」はもう古い? ユニクロやファミマが変える“下着の常識”
かつて、「寄せて上げて」が主流だったブラジャー市場が様変わりしている。近年は、体を締めつけにくいノンワイヤーブラの人気が急上昇。バストラインをキレイに整えるワイヤーブラよりも売れているという。ヒット商品を販売するユニクロ、ワコール、トリンプ、ファミリーマートに取材した。
身長155センチ以下! 小柄女性向けのブランドが、「月商1億円」になった秘密
小柄女性向けのブランド「COHINA」をご存じだろうか。2018年に創業し、その後、順調に売り上げを伸ばしているのだ。その要因として、何があるのか。毎日続けていることがあって……。
