20年以上の経験がある採用面接官が指摘 「意味のない質問」とは?(2/2 ページ)
面接官は面接で応募者の「何」を見ているのか? 20年以上のキャリアを持つ面接官が指摘する「意味のない質問」とは?
――面接での質問について、意識していることはありますか?
質問の質は非常に大切です。例えば「転職を考えたきっかけは何ですか?」といった質問は、転職の背景にある本音を引き出すのに効果的です。
また、面接は入社後の「1on1の始まり」と考えています。入社後は定期的に上司と1on1を行いますので、そのシミュレーションのつもりで今後の関係構築を見すえたコミュニケーションを意識しています。
――逆に、あまり意味のない質問や気を付けるべき点はありますか?
よくあるのが、資格や受賞歴などの形式的なスペックだけに注目してしまうことです。それ自体を否定するわけではありませんが、その資格をどう業務に生かしてきたかが大事です。
また、中には履歴書の数字や実績を盛って書く人もいます。そこをうのみにせず、実際の取り組みや役割を具体的にヒアリングする必要があります。
――時代とともに、採用面接のあり方も変化しているのでしょうか?
はい。20年前は会社側が「選ぶ」時代でしたが、今は完全に「お互いに選び合う」時代です。特に優秀な人材は、複数社からオファーを受けていることが多い。だからこそ、面接は会社側が一方的に評価する場ではなく、応募者にこの会社で働く意義を伝えるプレゼンの場でもあると考えています。
陣内正吾
TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役専務
TOMA税理士法人 代表社員 税理士
TOMA行政書士法人 代表社員 行政書士
総合コンサルファーム・TOMAコンサルタンツグループで組織の生産性向上、人的資本を活用した業績拡大への仕組み作り等を行う人材・組織開発支援サービス部門を統括。ポータルサイト「はたらきがいのある職場づくり研究所」での記事監修も多数実施。
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