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AI活用を「新人」に押し付けてはいけないワケ「キレイごとナシ」のマネジメント論(5/5 ページ)

AIを「若い人が使うもの」と思っている上司は危険だ。

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上司がAIを使わない3つの言い訳

 それでも多くの上司はAIを使おうとしない。その言い訳はだいたい決まっている。以下の3つだろう。

  1. 忙しくて学ぶ時間がない
  2. 若い人のほうが得意だ
  3. 自分がやらなくても部下がやる

 まず(1)についてだ。「忙しくて学ぶ時間がない」と言う上司が多い。ハッキリ言うが、忙しいからこそAIを使うべきなのだ。生成AIを使って顧客戦略の立案を依頼すれば、数分で終わる。予実管理も同様だ。データさえそろっていれば、業績予測もスピーディーに終わる。それすら惜しむなら、マネジメントの資格はない。

 次に(2)の「若い人のほうが得意だ」という思い込みである。確かに若い人はデジタルツールに慣れている。しかし業務知識や判断力は上司のほうが圧倒的に上だ。上司がAIを使えば、その判断の質は飛躍的に向上する。若手に任せていては、浅い分析しかできないだろう。

 そして(3)が最悪だ。繰り返すが、「上司→部下→AI」は避けよう。創造的な仕事でない限り、この構図はあり得ない。

まとめ

 AI時代において、本当にAIを使うべきは部下ではなく上司だ。上司の仕事こそ「AIに活用される」領域であり、AIの出力を検証できるのは経験豊富な上司だけなのだ。部下には定型業務で失敗を経験してもらい、学ぶ機会を与えるべきだ。

 「忙しい」「若い人が得意」といった思い込みを捨てよう。そして謙虚になって、AIに使われる立場を受け入れる。そのうえで自分の経験と知識でAIのアウトプットを検証し、最終判断を下すのだ。そうしないと、企業間の格差は今後ますます広がるだろう。まだ気付いていない上司は、今すぐChatGPTと向き合ってみよう。

著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)

企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。


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