伝わるプレゼン資料かどうかは「作る前」に決まる 意識すべきポイントは?(2/4 ページ)
プレゼン資料で重要なのは綺麗さではなく「伝わる資料になっているか」だ。では、どうすれば伝わる資料になるのか?
――実際にどのようにQARをスライドに落とし込んでいますか?
例えば、会社紹介の資料であれば「この会社は何をやっているのか?」「どんな実績があるのか?」「なぜこの会社に依頼すべきか?」といった聞き手の疑問に1つずつ答える形でスライドを構成します。
この一連の流れは、最終的に「だから御社に発注すべきなんですね」という納得につながるように設計しています。大きな「問い」を明確にしてから、それを分解した「小さな問い」に1つずつ答えていく。これが私の基本スタイルです。
――資料作成でAIをどのように活用していますか?
AIは非常に有効なサポートツールだと思います。ChatGPTやGeminiに音声入力で話しかけると、自分の思考が整理されていきます。上手くまとまらない話でも、AIが意図をくみ取って構成案を返してくれるんです。
また「投資家目線でコメントください」と指示した上で資料を読ませると、かなり鋭いフィードバックをくれることもあります。人間よりも率直で実用的な意見をくれるケースもあるのでおすすめです。
――AIに頼りすぎてしまう懸念はありませんか?
ありますね。特に伝えたいメッセージや熱量が問われる場面では、AIだけで作った資料では絶対に通用しないと思っています。
資料の見た目や構成をAIに任せるのは良いとしても、最初の「論点設定」や最後の「合意形成」は人間にしかできません。論点がズレていたら、どれだけきれいな資料でも意味がない。自分の頭で考えることを放棄しないのが前提です。
――資料づくりに行き詰まった時、立ち返るべきポイントは?
やはり「キメヘン」に立ち返ることです。「誰に」「何を」「どう変化してほしいか」。この目的と、数値的な目標(KPI)が定まっていないと、資料づくりは簡単に迷子になります。
例えば、社内向けの方針発表資料を作るとき、「なぜこの方針を示すのか」「どういう行動を促したいのか」まで考えたうえで構成すると、スムーズに仕上がります。逆にそれが曖昧(あいまい)だと、スライドを作っても「何か違う」という感覚に陥ってしまいます。
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