「ちくわ弁当」もOK? ほっかほっか亭が仕掛ける“自分だけの弁当”、どんな効果があった?(2/4 ページ)
「ほっかほっか亭」が新たに開始した「カスタマイズ弁当」が好評である。ごはんや好きなおかずを選んで、自分好みの弁当を作れるサービスだ。5月から近畿地方で開始し、9月からは東日本エリアにも拡大。どんなことが分かってきたのか。
若年層を狙った「新施策」として導入
カスタマイズ弁当は、大学生の声から誕生した。2024年にほっかほっか亭総本部が実施した武庫川女子大学 経営学部との産学連携プロジェクトや、東海地区の女子大学生を対象にした新規ビジネス創出ワークショップで、「自分だけのオリジナル弁当がほしい」という意見が聞かれたという。
「商品化にあたって、数十名のZ世代にインタビューを行ったところ、食の傾向が人によって大きく異なっていました。白いごはんとみそ汁におかずを合わせるような家庭的な食事よりも、パスタやパンなど小麦を主食とする人が多い印象でした。好きな具材や辛さを自由に選べる『マーラータン専門店』が流行っているといった話もあり、自分好みの食事が求められていることから、カスタマイズ弁当の実施を決めました」
そもそもの背景には、「顧客層の若返り」を図りたいという同社の課題がある。これまでの主な顧客層は40〜50代で、おかずは揚げ物ばかり。若年層が好むメニュー開発や店舗づくり、接客対応を十分に行ってこなかった反省があったという。そこで、若年層を取り込む施策としてカスタマイズ弁当を導入した。
まずは、2025年5月から近畿エリアの一部店舗(合計18店舗)で順次、提供を開始した。最初のトライアルでは、6種類の「ごはん・容器」、16種類の「おかず」、8種類の「たれ」から選べるようにした。
注文はモバイルオーダー限定としている。盛り付けはスタッフに“お任せ”で、フタを開けて初めて弁当の見た目が分かる仕組みだ。
店舗数は限られていたが、同施策に対するメディアの反響は良く、SNSでも「おもしろい」と好反応が増えていった。約3カ月のトライアルでは、20代を中心に支持を集め、客単価が上昇したことが分かった。そこで、9月1日から東日本エリアにも拡大し、現在は42店舗で販売を行っている(2025年10月30日時点)。
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