なぜ、ユニクロは“やめた事業”を復活させたのか ユニフォーム会員が1万件を超えた理由(4/4 ページ)
ユニクロが一度やめた法人・団体向けユニフォーム事業「UNIQLO UNIFORM」が再び注目を集めている。働く服の会員は1万件を突破したが、その理由は……。
認知度向上と新市場の開拓へ
ユニクロは、同事業を単なる売上拡大の手段とは位置付けていない。「LifeWearのコンセプトをもとに、従来の市場にとらわれず、新たな価値やニーズを創出して市場そのものを広げていきたい」(同)という。
ユニクロは、顧客のニーズに合ったユニフォームを提案することで、多くの企業に受け入れられ、最終的には業界ナンバーワンを目指している。対象は企業にとどまらず、学校制服やスポーツチームなどにも拡大することを視野に入れている。さらに、専用工場でのセミカスタマイズにも対応できる体制を整備し、顧客の要望に応えられる仕組みを強化していく方針だ。
さらに、海外での加工サービスの展開も検討している。現在、海外では大量購入サービスのみ展開しているが、営業・生産体制を整備し、刺繍やプリント加工サービスの提供を計画しているとした。
一方、課題は認知度の低さだ。B2Bの市場では、個人向けほど認知が進んでいないことから、企業や団体の購買担当者にいかに存在を知ってもらい、選択肢として検討してもらえるかが今後の鍵となる。
ユニフォーム市場は、少子高齢化が進む国内アパレル市場の中でも成長余地のある分野として注目されている。アダストリア、ユナイテッドアローズ、ミズノなど、大手企業が相次いで参入を強化している。
こうした競争環境の中で、ユニクロは既製品をベースに手軽さと機能性を両立させたユニフォームを提案し、市場を拡大している。「普段着もユニクロ、制服もユニクロ」というイメージが、今後どれだけ定着していくかに関心が集まる。
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