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なぜMetaだけ株価が急落? AIブームの裏で起きた“静かな分岐点”(2/2 ページ)

10月最終週、ビッグテック4社が相次ぎ決算を発表。Microsoft、Google、AmazonはAIクラウドで稼ぐ“御者”、Metaは自ら巨額投資する“鉱夫”。明暗を分けたAI戦略の違いを解説する。

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強気のザッカーバーグ

 MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ自身は強気だ。決算後の電話会見で、彼はこう語った。「超知能への道が近いなら、AIインフラをできるだけ早く大きく用意するのが勝つポイントだ。逆に遠くても、その間、中核事業に使って収益を上げればいい」


Metaの業績も好調だが……(出典:ゲッティイメージズ)

ザッカーバーグは強気の姿勢を見せる(撮影2011年、出典:ゲッティイメージズ)

 一見、筋は通っている。Metaの広告事業は好調で、AIによるレコメンデーション改善で売り上げは伸び続けている。Instagramは月間利用者30億人に達し、動画視聴時間は前年比で30%増。巨額のAI投資は、すでに本業で回収できているようにも見える。

 だが、投資家は冷めている。クラウド事業を持つ3社は、AI投資が「いつ」回収できるか分からなくても、とりあえず今日からバス代で稼げる。Metaにはそれがない。「いつか大金脈を掘り当てる」という約束だけだ。

 鉱夫が金脈を掘り当てるのか。それとも、御者として座っているほうが賢いのか――。ザッカーバーグの賭けが報われるかどうか、市場はまだ判断を保留している。

筆者プロフィール:斎藤健二

金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。


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