2015年7月27日以前の記事
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オーダースーツの「KASHIYAMA」、上期売上125.7%増 新素材と若年層施策が寄与

オーダーメイドスーツブランド「KASHIYAMA」を展開するオンワードパーソナルスタイル。2025年度の上期(3〜8月)の売上高は前年比125.7%、リアル店舗は同136%、来店顧客数は同121%と大きく伸長した。

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 オーダーメイドスーツブランド「KASHIYAMA」を展開するオンワードパーソナルスタイルは、2025年度の上期(3〜8月)の決算を発表した。売上高は前年比125.7%、リアル店舗は同136%、来店顧客数は同121%と大きく伸長した。


オンワードパーソナルスタイルの代表の関口猛氏

新規顧客142%増 リアル店舗拡大と販売施策が奏功

 KASHIYAMAは「オーダーメイドの民主化」を掲げ、2017年に事業を開始した。F2C(ファクトリー・トゥ・カスタマー)モデルを採用し、自社グループ工場から最短1週間でオーダースーツを届ける仕組みを構築している。

 新規顧客数は前年比で142%を達成。リアル店舗の出店加速と、キャンペーン実施が売上高に大きく寄与した。初回購入者限定の20%オフキャンペーンは新規層の開拓に貢献。特に「オーダースーツが1着2万6400円から購入可能」というお手頃価格を打ち出した戦略が、新規顧客の獲得につながった。


売上高は前年比136%、新規顧客数は同142%

 男女別の新規顧客数も好調で、男性は前年比144%、女性は同139%だった。ウィメンズではクラシックスーツカテゴリが同176%、コンフォートスーツが同102%と伸長した。10月には女性誌「CLASSY.」「VERY」「STORY」とのタイアップを開始。ウィメンズ事業のさらなる拡大を図っている。

 その他、売上高の伸長要因として大きく寄与したのは、若年層をターゲットにした「学割」キャンペーンだ。10代の来店者数は前年比287%、20代は同145%を記録し、売上高は同264%に達した。


10代の来店者数は前年比287%、20代は同145%

 オーダースーツを高額と捉える若年層に対し、手ごろな価格を提示することで、初回購入への心理的ハードルを下げたことが購買拡大につながったと考えられる。


学生証の提示で1着2万2000円から購入できる

 今期から販売した東レとの共同開発による高機能新素材を採用した「洗えるスーツ」は、発売後2カ月で販売目標比150%を達成した。新素材はウールの風合いを保ちながら、伸縮性・通気性・防しわ性・速乾性を兼ね備え、実用性と着心地を両立した。

 4月にはYouTubeチャンネル「BE SUITS!!」を開設。スーツを仕事着にとどまらず、自己表現の手段として発信したことがブランド認知の拡大につながり、登録者数は半年で2万人を超えた。

 同社は、下期にライフスタイル型店舗「カシヤマ」のショッピングセンター展開を進め、女性誌メディアとのタイアップを核にブランド認知を広げる方針だ。人材育成や働きがいの向上にも力を入れ、持続的な顧客満足と事業成長の両立を目指す。

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