「ペンギン卒業」の衝撃に埋もれる、Suica改革 JR東日本の挽回には「何が」必要か?(1/4 ページ)
JR東日本が発表した、Suicaの機能を強化する「Suica Renaissance」は「ペンギン卒業」の話題に埋もれてしまった。Suicaの改革に目を向けさせるために、JR東は何をすべきか?
JR東日本の電子マネー「Suica」のイメージキャラクターである「Suicaのペンギン」が、2026年度末をもって「卒業」すると発表された。サービス開始以来、25年にわたって親しまれてきたキャラとあって、利用者からは惜しむ声が相次いでいる。
交代までは1年以上の猶予が設けられている一方で、長年定着してきたこともあり、唐突な印象は否めない。ネットユーザーの「反発」を低減させるには、どのような策が取れるのだろう。
ペンギン卒業に話題を奪われた、Suicaルネサンスとは?
JR東日本は2024年12月から「Suica Renaissance(ルネサンス)」(PDF)と題して、10年スパンでSuicaの機能を強化する方針を打ち出している。メインは「移動のデバイス」から「生活のデバイス」への転換で、コード決済への対応や、チャージ上限額の拡大も計画していた。
その具体的な内容が、2025年11月に「Suica Renaissance第2弾」(PDF)として発表された。2026年秋からコード決済機能(最大30万円までチャージ可能)を始め、自社系列のクレジットカードをひも付ければ、チャージ不要での支払いもできるといったものだ。
しかし、それよりも利用者に衝撃を与えたのは、末尾に付けられた告知だった。「Suicaのペンギン」が2026年度末で卒業し、新キャラクターにバトンタッチするとして、キャラクター作者の坂崎千春さんによる感謝の言葉も添えられていた。
新キャラクターには「お客さまの生活と幅広い接点を持つ、進化するSuicaのイメージ」を担わせるといい、選定に向けては、「原案的なアイデアなど、誕生プロセスにおいて、何らかの形でお客様に参画していただくことも検討」するとしている。
発表文から「イメージ戦略の変更に伴うキャラクター変更」であろうことは推測できるが、具体的な理由は示されていない。そのため、SNS上では「なぜ交代させる必要があるのか」といった疑問が噴出した。
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