ReFa「5400円の水」に勝算はあるのか バルミューダ後の“空白市場”をつかむ?(1/3 ページ)
ReFaは高機能・高価格帯のドライヤー、シャワー、美容機器などを展開するブランドで知られる。そんなブランドがなぜ、テクノロジーを一切感じさせない「水」に行き着いたのか。
筆者プロフィール:古田拓也 株式会社X Capital 1級FP技能士
FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックスタートアップにて金融商品取引業者の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、広告DX会社を創業。サム・アルトマン氏創立のWorld財団における日本コミュニティスペシャリストを経てX Capital株式会社へ参画。
人気美容機器ブランド「ReFa(リファ)」が常識外れの挑戦をしている。
ReFaを運営するMTG(名古屋市)は、1本5400円という一般的なミネラルウオーターの約50倍もの価格設定で「水」を売り出したのだ。
ReFaは高機能・高価格帯のドライヤー、シャワー、美容機器などを展開するブランドで知られる。そんなブランドがなぜ、テクノロジーを一切感じさせない「水」に行き着いたのか。
バルミューダの空白
その答えは、先行者であるバルミューダが直面した「失敗」と、それによってぽっかりと空いた市場の空白にある。
かつて「感動のトースト」で市場を席巻し、情緒的価値(ストーリー)で高収益を上げるモデルを確立したバルミューダだが、その延長線上で参入したスマートフォン事業(BALMUDA Phone)では手痛い失敗を喫した。
高度な通信インフラであるスマホに対し、感性や独自の“哲学”で勝負を挑んだ結果、バルミューダフォンはスペックの壁にぶち当たった。市場からは「高価格に見合う性能がない」と厳しい評価を下され、これまで築き上げた「バルミューダなら信頼できる」というブランドの信頼そのものを毀損する結果となってしまったのだ。
しかし重要なのはここからだ。バルミューダの時価総額が仮に10分の1になったとしても、「ブランドにお金を使いたい」という高感度な消費者層が10分の1になったわけではない。彼ら・彼女らの需要は行き場を失っていたといえる。
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