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「ドコモ経済圏」に取り込め 会員数1億人超え、dポイントクラブがLINE連携で目指すLTV最大化戦略(1/2 ページ)

NTTドコモが展開する共通ポイントサービス「dポイントクラブ」。ドコモ契約者以外でも無料で利用でき、会員数は1億人を突破した。同社の橋田直樹氏は「dポイントクラブ事業の目的はドコモ経済圏の入り口となり、LTVを向上させること」と話す。LTV向上のための3つの重点施策の詳細を聞いた。

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本記事の内容は、LINEヤフーが11月17日に開催した「LINEヤフー BIZ Conference 2025」内で実施されたセミナー「会員数1億人超の『ドコモ経済圏』の成長を支える、dポイントクラブのLINE活用」の内容を要約したものです。


 NTTドコモが展開する共通ポイントサービス「dポイントクラブ」。ドコモ契約者以外でも無料で利用でき、会員数は2024年に1億人を突破した。

 dポイントクラブ事業の目的について、同社の橋田直樹氏(コンシューマサービスカンパニー マーケティング推進部 コンシューママーケティング推進室長)は「ドコモ経済圏の入り口となり、LTVを向上させること」を挙げる。「dポイントをきっかけに、お客さまにさまざまなサービスに興味を持ってもらい、ドコモ経済圏への関与度を高めるハブになることを目指している」。その一助となっているのが、dポイントクラブのLINE公式アカウントだ。

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ドコモ経済圏を支えるdポイントクラブ事業(提供:LINEヤフー、以下同)

LTV向上のための3つの重点施策

 同社は2020年7月、dポイントクラブのLINE公式アカウントを開設。橋田氏によると、当初は若年層など、未開拓のリーチを獲得することが目的だったという。そのため、友だち数、ブロック率、メッセージのクリック率など、リーチメディアとしての指標を追っていた。

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NTTドコモ 橋田直樹氏(コンシューマサービスカンパニー マーケティング推進部 コンシューママーケティング推進室長)

 運用を続けるうち、橋田氏はLINE公式アカウントが単なるリーチ手段ではなく、LTV向上に貢献できる手段になる可能性に気付いた。「ドコモはdアカウントを通じて、d払い、dカードといった顧客の経済圏活動を把握できる。このドコモ経済圏のデータとLINE IDを連携させれば、LINE経由で獲得した顧客のLTVを追跡・評価できると考えた」(橋田氏)。そこで同社は、当初の戦略を転換し、LINE公式アカウントの指標をLTVに設定し直した。

 LTV向上を実現するため、橋田氏は3つの重点施策を実施した。1つ目は友だち数の増加だ。経済圏の入り口としての規模を確保するため、ポイントインセンティブやスタンプ、プロモーション絵文字の配布など多様なインセンティブ施策を実施し、あらゆるタッチポイントに友だち追加動線を設置した。

 同社の須藤志保氏(コンシューマサービスカンパニー マーケティングメディア部 メディア推進室 メディアサービス dポイントクラブ担当 主査)によると、特に成果を上げたのが絵文字キャンペーンだ。「ドコモ発祥の絵文字をLINEのリアクション機能を組み合わせたところ、10〜20代の獲得比率が既存施策よりも高かった。合計送信数が1億回を、リアクション利用数が580万回を突破し、これまで獲得しづらかった若年層の取り込みに成功した」(須藤氏)

 2つ目がID連携の促進だ。ドコモ経済圏の活動を把握するためには、LINE IDとdアカウントを紐付けなければならない。そこで、ID連携をミッションとしたスタンプダウンロード施策や、未連携者のみを対象とした独自のdポイント施策を継続的に実施。ID連携者数は2020年比で45倍に増加し、現在ではターゲットリーチの3割以上がID連携を完了している。

 3つ目はデータ活用によるOne to Oneコミュニケーションの実施だ。「ドコモの新しい通信プランを訴求する際、ID連携データを用いたターゲティング配信を行ったところ、Web広告経由よりも獲得単価を60%低い水準に抑制できた」(須藤氏)

 One to Oneコミュニケーションの実施は、ブロック率の抑制にもつながっている。須藤氏は「配信頻度は高いものの、ユーザーに合ったコンテンツが届けられているため、ID連携者のブロック率は数%を維持している。週2回配信と週4回配信を比較してもブロック率に差がなく、頻度よりコンテンツの最適化が重要だ」と分析する。

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