ミズノの“ミャクミャクスニーカー”はなぜ売れたのか 目玉付きが支持された理由:【2025年メガヒット記事】(4/4 ページ)
大阪・関西万博公式ライセンス商品として発売されたミズノの“ミャクミャクスニーカー”がヒットしている。ミャクミャクをモチーフにした奇抜なデザインがウケて、早々に売り切れ。再販後もすぐに売り切れた。開発の狙いや反響をミズノに聞いた。
「ポロシャツ」や「ゴルフグッズ」も人気
SNSやメディアではミャクミャクスニーカーの露出が目立つ一方で、それ以外のミズノの万博商品も好調だ。
「スニーカー以外のグッズも2024年4月から販売していて、万博の話題が盛り上がり始めた3月末ごろからグッと伸びています」
トータルコーディネートに取り入れやすい「システム総柄ポロシャツ」(2種類、8690円)は、いずれも品切れになる人気ぶりだ。
万博のオフィシャルオンラインストアでは、「ミャクミャク 日用品・雑貨」のジャンルで、ストレッチやトレーニングに使える「メディシンボール」(1万450円)がランキング1位を獲得した(5月21日時点)。お土産にもしやすい価格帯のゴルフ関連グッズも売れ行きが良いという。
「ミズノというと、アスリート向けの製品を扱っている印象が強いと思います。実際、スポーツ用品がメインですが、ワーク系やライフスタイル系の非スポーツ商品も伸びています。今回のミャクミャクスニーカーもまさにそうですが、スポーツ向けに開発したテクノロジーを日常向けに変換した高機能の靴なども展開しており、幅広い方に使っていただきたい思いがあります」
ミズノの2025年3月期決算を見ると、売上高2403億円(前期比4.6%増)、営業利益208億円(同20.2%増)となり、いずれも過去最高を記録した。
グローバルではフットボールとインドアスポーツが、国内ではワークビジネスが好調に推移し、適切な価格設定や在庫効率の向上により、売上総利益率(粗利益率)は前期比1.4ポイント増の41.0%となった。国内ではワークカテゴリーが従来計画を上回る成長率で伸びており、露出強化によりさらなる成長を目指している。
ミズノには119年間の事業で培われたブランド力があり、それが自社の競争優位となっている。ミャクミャクスニーカーのヒットを通じて、同社のユニークな一面も消費者に伝わったかもしれない。
著者プロフィール:小林香織
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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