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ロート製薬「エントリーシート選考廃止」は、30年続く“とりあえず就活”を変えるか:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(2/3 ページ)
「エントリーシートによる書類選考廃止」を発表したロート製薬。同社の取り組みは、1990年代から30年以上続いた“とりあえず就活”を変えるでしょうか。
成長し続ける企業こそ、採用に手間をかける
試行錯誤を繰り返すロート製薬の採用改革の背後に、一貫して存在しているのが「覚悟」です。自分たちの会社を信じて前に踏み出す覚悟を持ち、学生にも覚悟を求めました。
「自分たちの思い、自分たちのやってきたこと、自分たちの会社のことを学生たちに伝えたい。自分たちと同じ志を持って、いばらの道を歩いていこうという覚悟が、あなたは持てますか?」と問いかけたのです。
それは同時に「人」を信じることであり、人の「五感」を大切にすることであり、本音で「未来の仲間」と語り合いたい、という誠実さでもあります。
そして、この覚悟が先輩から後輩に受け継がれることで、「COMPANY=ともにパンを食べる仲間」として企業も社員も成長し続けます。話題になった同社の「ビヨンド勤務」も、まさに成長のための戦略的休暇です。社員から「もっと成長したい。でも、勤務時間や会社の制度の制約で踏み出しにくい!」との悲鳴から、「成長するための時間や機会を増やす制度として週休3〜4日制」=ビヨンド勤務を導入したのです。
これまで取材したり、訪問したりした企業のうち、いい製品やサービスを生み出し成長し続けている会社は、必ずと言っていいほど採用に手間をかけ、自分たちを信じて、しんどくても踏ん張っていました。そういう温度のある会社で働いている人たちは、誰のためでもなく、誰から強制されるわけでもなく、自らの意志で当事者意識を持って自律的に働きます。
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