部下が「もう、仕事が終わったので」と定時より前に帰ろうとします 引き止めたらパワハラに当たりますか?(3/3 ページ)
職場で起こりがちなトラブルを基に、ハラスメント問題に詳しい佐藤みのり弁護士が詳しく解説します。
パワハラが起きやすいケース
パワハラは何の問題のない従業員に対して、一方的に上司が怒り出すなどして生じるケースの方が珍しく、通常はミスが多かったり企業秩序を害したりと、何らかの問題のある従業員に対する指導が行き過ぎることにより生じます。したがって定時を守らず帰ろうとする従業員に対しても、強引に引き止めるのではなく冷静に落ち着いて向き合いましょう。
なお、労働者のさまざまな事情に応じて柔軟に有給をとれるように、時間単位の有給休暇制度を導入することも考えられます。
年次有給休暇は原則1日単位ですが、年5日の範囲内で、時間単位での取得が可能となります。時間単位の年次有給休暇制度を導入する場合には、 就業規則への記載と労使協定の締結が必要になります。
実際に、時間単位の有給については当日の申請も可能としている会社もあります。このような制度を導入すれば、仕事を早く終えた場合などに有給を使いながら、従業員が柔軟に帰宅時間を早めることができるようになるでしょう。
その他、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる「フレックスタイム制」を導入している会社もあります。
労働時間のあり方については従業員の労働状況の実態をみながら、さまざまな制度の導入を検討することも一つの方法でしょう。
佐藤みのり 弁護士
慶應義塾大学法学部政治学科卒業(首席)、同大学院法務研究科修了後、2012年司法試験に合格。複数法律事務所で実務経験を積んだ後、2015年佐藤みのり法律事務所を開設。ハラスメント問題、コンプライアンス問題、子どもの人権問題などに積極的に取り組み、弁護士として活動する傍ら、大学や大学院で教鞭をとり(慶應義塾大学大学院法務研究科助教、デジタルハリウッド大学非常勤講師)、ニュース番組の取材協力や法律コラム・本の執筆など、幅広く活動。ハラスメントや内部通報制度など、企業向け講演会、研修会の講師も務める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
部下に「仕事は終わってないですが定時なので帰ります」と言われたら、どう答える?
企業にとって残業しない・させない文化の定着は不可欠だ。しかし――。
部下「出社義務化なら転職します」 上司は引き止めるべきか、去ってもらうべきか
出社義務化で部下が次々辞める時代。管理職はどう向き合えばいいのか――答えは意外なところにある。
オンライン会議中に宅配を受け取る新入社員 叱っていいのか、悪いのか?
何度も続くと気になってくるし、客先での商談となると話も変わってくる。
「残業キャンセル界隈」名乗る若者が増加中…… 上司はどう向き合うべき?
SNS発の「○○キャンセル界隈」が職場にも広がり、「残業キャンセル界隈」を名乗る若手が増えている。背景には働き方改革の誤解や成果への無関心がある。組織の生産性低下を防ぐには?
部下から「給料を上げてください」と言われたら、上司のあなたはどう返す?
もしこんな相談を受けたら、決して避けてはいけない。上司がどう向き合うべきか解説する。
