「アシックスとミズノ」どこで差がついた? 箱根駅伝の裏側で繰り広げられる“足元の戦い”(4/6 ページ)
箱根駅伝の舞台裏では、選手の足元でもスポーツメーカー同士の競争が繰り広げられています。アシックスとミズノ、それぞれの戦略やブランドの違いが業績や成長にどう影響しているのかを、足元の視点から解説します。
決定的な違いを生みだしたのは?
最も決定的な違いは、海外売上比率の差です。
アシックスの海外売上比率は、80%を超えています。2024年12月期の地域別の売り上げを見ると、為替の影響はあるものの、日本が1247億円、米州が1350億円、欧州が1793億円となっています。米州や欧州は、日本より売り上げが大きくなっています。
「オニツカタイガーは、インバウンド需要で売れている」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、インバウンド客が日本で商品を購入した場合、日本の売り上げに計上されます。海外の売り上げが日本を上回っているということは、現地の消費者からもきちんと支持を集められていることを意味しています。
セグメント別の営業利益率を見ると、その好調ぶりがより明確に分かります。日本は9.4%から16.6%へと改善しており、これはインバウンドの影響も大きいでしょう。注目すべきは海外市場です。米州では、2019年12月期や2020年12月期にはマイナスだったものが、現在は8.3%にまで回復しています。欧州に至っては14.1%と、日本よりも高い営業利益率を実現しているのです。
これはオニツカタイガーが、単に「日本に来て、円安の影響で安く買えるブランド」ではなく、欧米でもきちんとブランドとして認知され、高い収益性を実現していることを示しています。
一方、ミズノの海外売上比率は、39%にとどまっています。2025年3月期の売上高を見ると、日本が1472億円に対し、米州・欧州ともに350億円前後。日本での売り上げはアシックスと大きく変わらないものの、海外の売り上げはアシックスの5分の1程度しかないことが分かります。
ミズノの営業利益率を見ても、その国内依存度の高さがうかがえます。2025年3月期のセグメント利益率は、日本では8.6%、アジアでは10.7%と健闘しています。ただ、欧州はわずか2.9%で、ミズノ全体の営業利益率も8.6%と、2017年3月期の0.8%から大きく改善したものの、アシックスの14.7%には遠く及びません。
こうした海外展開の成否が、両社の業績に大きな差をもたらしていると考えられます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
「ディズニー離れ」のうわさは本当か 入園者2700万人と売上のギャップ
東京ディズニーリゾートの入園者数は年間約2700万人で横ばいに見えるが、売り上げは過去最高を更新。猛暑やチケット値上げによる「ディズニー離れ」のうわさと、好調な業績のギャップを解説する。
サイゼの「300円ドリア」はいつまで続く? “デフレの申し子”が直面する試練と選択
外食チェーンが次々と値上げに踏み切る中、サイゼリヤは低価格路線を堅持しています。しかし、原材料費や人件費の高騰により、国内の利益率は低下。安さを維持する戦略に限界はあるのでしょうか。
ドンキは本当に最強なのか? 地方スーパーが突きつける“一強多弱”の限界
国内外で快進撃を続けるドンキに異変か。圧倒的な現場主義で拡大を続ける一方、地方発スーパーが「超本社主義」で成長を遂げ、王者の牙城を脅かし始めている。
