「アシックスとミズノ」どこで差がついた? 箱根駅伝の裏側で繰り広げられる“足元の戦い”(3/6 ページ)
箱根駅伝の舞台裏では、選手の足元でもスポーツメーカー同士の競争が繰り広げられています。アシックスとミズノ、それぞれの戦略やブランドの違いが業績や成長にどう影響しているのかを、足元の視点から解説します。
粗利改善とスポーツスタイル市場への挑戦
アシックスとミズノは2000年代に苦境に陥りましたが、「粗利の改善」に取り組んだという点では同じでした。
アシックスはランニングに絞った商品展開とともに、それまでの安売り戦略から脱却し、「良いものを高く売る」ことを重視。そのために在庫を抑制し、顧客がセールでの安売りを待って購入することを避けるようにしました。
つまり、「工場の稼働率を維持するために商品を大量生産し、最終的に安売りで処分する」という、従来の商習慣からの脱却を図ったのです。こうした取り組みが奏功し、アシックスの粗利率は2016年12月期の44.2%から、2024年12月期には55.8%へと劇的に改善しました。
ミズノも同様に、在庫管理の徹底と価格戦略の見直しを進めたことで、粗利率は2017年3月期の37.5%から2025年3月期には41.0%まで向上しています。両社とも、単なるコストダウンにとどまらず、過度な値引きを抑制し適正価格で販売する体制を確立したことが、大幅な粗利改善につながりました。
また、両社に共通する取り組みとして、消費者に直接販売する「ダイレクト・トゥ・コンシューマー(DTC)」の強化と、ファッション性を意識した「スポーツスタイル市場への展開」があります。
アシックスは「オニツカタイガー」で、ファッション市場での成功を収めました。2025年には、パリのシャンゼリゼに旗艦店を出店するなど、欧州での存在感を高めています。
ミズノも「M-LINE」や「RB-LINE」といったスポーツスタイルのフットウェアを展開し、セレクトショップとのコラボレーションも実施しています。2025年には、大阪・関西万博の「ミャクミャクスニーカー」を高価格で販売し、即完売させました。決算説明資料でも、フットウェア事業が堅調に伸びていることを強調しています。
このように、粗利改善やDTCといった取り組みに大きな違いはないにもかかわらず、なぜアシックスとミズノの売上高や営業利益率に差が生じたのでしょうか。
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