コラム
「アシックスとミズノ」どこで差がついた? 箱根駅伝の裏側で繰り広げられる“足元の戦い”(2/6 ページ)
箱根駅伝の舞台裏では、選手の足元でもスポーツメーカー同士の競争が繰り広げられています。アシックスとミズノ、それぞれの戦略やブランドの違いが業績や成長にどう影響しているのかを、足元の視点から解説します。
苦境から脱却するも
アシックスの転機は、2000年代前半にありました。子どもの減少により、野球人口は2005年の約1250万人から10年で680万人へと半減し、ゴルフ人口も3分の2へと大幅に縮小。業績が厳しくなる中、アシックスは大きな決断を下します。ゴルフ、水泳、学校体育用品といった事業から撤退し、ランニングに経営資源を集中する戦略を採用したのです。
この選択と集中が、功を奏しました。2024年12月期の売上高は6785億円に達し、営業利益は1001億円と過去最高水準を記録しています。ランニングという単一の領域に集中した戦略が、大きな成長をもたらしました。
一方、ミズノも同じ時期に苦しい状況にありました。2016年の決算時に、ミズノは業務改善を宣言し、米州(北米と南米)の在庫圧縮や事業再編などに取り組みました。その結果、2018年3月期には営業利益を前年同期比5.5倍に増やすことに成功しています。
ただ、この「5.5倍」という数字には注意が必要です。2017年3月期の売上高は約1800億円あるにもかかわらず、営業利益はわずか14億円ほど。その5.5倍になったとはいえ、営業利益は80億円をかろうじて超えた程度です。
同時期のアシックスの売上高は4001億円で、ミズノの約2倍に達しました。営業利益は195億円であったことからも、売上規模と営業利益の両面で、両社には大きな差がついていました。
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